『ココロ彩る恋』を貴方と……
ラブバトルはハイレベル
あれから1週間が過ぎた。
寝ボケて私の首筋にチューをしてきた兵藤さんは、まるで意識しているかのようにゴロゴロと家の中で寝なくなった。

夜中に深酒をすることも止めているようだし、酔いつぶれている姿も見ない。

本当に反省しているんだというのがわかるくらい、慎ましやかな生活を送っている。


……でも、私にとってはそれは少しつまらない。

次は許しませんよ…と言い渡したのは自分だけど、こうもらしくない生活をされると困る。

日中はぼぅっとしているのが彼だと思っていたし、クマみたいにゴロ寝する姿も結構気に入っていた。

だから今みたいに寛がれていない人を見ると、なんだか面白くもない。


「ふぅ…」


キッチンで野菜を洗いながら躊躇う。
もっと気楽に生活して下さい…と、彼に言った方がいいんだろうか。


「…ここは兵藤さんの家なのに?」


自分が通ってくることで、彼に何がしかの緊張を与えているんだとしたら申し訳ない。

らしい生活を送って欲しいし、また触れられても構わないと思っているのに。


「バカだよね」


この間は恋人と間違われたことが悔しいと感じていたのに、間違いでもいいから触れて欲しいと思うなんて。


「でも……」


首筋に残ったキスの感触が今だに忘れられない。
思い出す度に胸の奥が擽られ、きゅっと締め付けるように痛くなる。


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