『ココロ彩る恋』を貴方と……
具材のほうれん草や枝豆を麺と一緒に絡めて口にする。
モグッと噛んで飲み込んだ後、兵藤さんが初めて「美味しい」と口にするのを聞いた。
「美味いです」
顔も上げずにツルツルと平らげていく。
「良かった…」
見ていてホッとさせられる。
私が言ったことで気分を悪くしながらの食事になったらどうしようかと思った。
「満仲さんは料理上手ですね」
耳を疑うようなことを言いだす彼に目を向けた。
「……えっ?」
そんなことを言われたのは初めてだけど。
「俺みたいに単色志向の人間に合わせて食事を作るのは難しい筈なのに、いつもきちんとした味の物が出てくる。毎日感心しています。本当に」
ツルッと蕎麦を口の中に吸い込みながらサラリと言われた褒め言葉。
「きょ…恐縮です…」
だって、それは私のレシピじゃない。
「家の中もいつも綺麗にしてもらって有難いし、最初は家政婦なんて…と思ったけど、やっぱり居てくれると助かるな」
「えっ?」
それってどういう意味。
視線を向けても、兵藤さんはそれ以上の話をしなかった。
後は黙々と食事を続け、食前と同じように手を合わせた。
「ご馳走さま」
私が言った些細な言葉で、彼はまた一つ緊張を増やしたんじゃないだろうか。
モグッと噛んで飲み込んだ後、兵藤さんが初めて「美味しい」と口にするのを聞いた。
「美味いです」
顔も上げずにツルツルと平らげていく。
「良かった…」
見ていてホッとさせられる。
私が言ったことで気分を悪くしながらの食事になったらどうしようかと思った。
「満仲さんは料理上手ですね」
耳を疑うようなことを言いだす彼に目を向けた。
「……えっ?」
そんなことを言われたのは初めてだけど。
「俺みたいに単色志向の人間に合わせて食事を作るのは難しい筈なのに、いつもきちんとした味の物が出てくる。毎日感心しています。本当に」
ツルッと蕎麦を口の中に吸い込みながらサラリと言われた褒め言葉。
「きょ…恐縮です…」
だって、それは私のレシピじゃない。
「家の中もいつも綺麗にしてもらって有難いし、最初は家政婦なんて…と思ったけど、やっぱり居てくれると助かるな」
「えっ?」
それってどういう意味。
視線を向けても、兵藤さんはそれ以上の話をしなかった。
後は黙々と食事を続け、食前と同じように手を合わせた。
「ご馳走さま」
私が言った些細な言葉で、彼はまた一つ緊張を増やしたんじゃないだろうか。