『ココロ彩る恋』を貴方と……
「ちょっと休もう…」


見えてきた床の上に転ぶ。


「はぁ……」


もう一度お茶を淹れてくれればいいのに。


「何贅沢言ってるんだろ、私」


相手はハイレベルな人なのに。


「でも、少しだけ触れ合えたから良かった〜〜」


今日のところはこれでもう満足。

お茶を淹れることができるんだと知ったし、この部屋のことはしなくてもいい様に言っていたし。


「だから…もうきっと入れないんだよね」


そう思うと、やはり中の様子が気になってくる。

むくりと起き上がって広い作業室の方を見た。

大きな板を乗せた台の上に紙が広がっていて、端が撒かないよう四隅に重石が置かれてある。


「少しだけなら見てもいいかなぁ」


特に写真とか撮るわけじゃないからいいよね。


興味本位で近づいてみれば、紙の上には綺麗なブルー系の丸い円が幾つも描かれてある。

大小様々な大きさで、不思議なほど透明感を感じさせていた。


(似てる……)


この色合いは、兵藤さんの目と同じだ。


(特にこの辺が似てる)


中央よりも少しだけ端っこに寄った辺りのブルーが、水を湛えた様な感じのクリアな色合いを出している。


(なんていうんだろう、この色は)


クレヨンとか絵の具とかの箱に入っている色ならわかるけど、この色はそんな単純な色達とは違う。


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