『ココロ彩る恋』を貴方と……
聞き返された人の顔を見つめ、なんて答えるんだろうかと唾を飲んだ。


「ああ。本当にそうだな」


兵藤さんまでが中へ入り、障子が作り出す色彩を眺めている。

こうして並んでいる姿を目の当たりにすると落ち込む。

二人の間には入り込めない何かがあるみたいな気がして、更に気持ちが暗くなる。



「満仲さん…って言ったかしら」


広報部長の河井さんが呼んだ。


「はい」


顔を上げて返事をするとーーー


「ちょっとこの障子の前に立ってみて」


「えっ…」


何?どうして?


「いいから、ちょっと来てみて」


腕を引っ張られて障子の方に引き寄せられた。

困ったように目を向けると、河井さんは笑みを見せてこう言った。


「やっぱりエンジェルみたい!ほら、教会のステングラス絵画みたいな雰囲気がしない?」


天然パーマの髪の毛を見てそう思ったらしい。顔も丸くてほっぺもふっくらしてるから、余計にそう思えるんだろうと思う。


「そ……」


そんなこと無いです…と言い返してやろうかと思うのに。


「そう言われるとそうだな」


兵藤さんの声に弾かれるように目を向けると、青っぽい瞳とぶつかった。

ドキン…と軽く胸を打たれ、反論したくてもできなくなる。


きゅん、と胸が萎んでしまう。

急に恥ずかしくなって、その場から逃れたくなった。


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