『ココロ彩る恋』を貴方と……
「も……いいですか?」
美男美女の眼差しを受け続けるのは辛い。
「あ、そうね。ごめんなさい。お仕事の邪魔して」
行きましょう……と河井さんは兵藤さんの袖を引っ張った。仲良さそうに歩いていく後ろ姿を振り返り、胸がつぅんと痛くなる。
(エンジェルか……)
そう言えば最初に間違ってキスされた時もそう言われたっけ。
あの時は兵藤さんが寝ボケていたから、そんなふうに見えたんだろう…と思っていたけど。
「まさか、素の状態でも同じこと言われるなんてな〜〜」
童顔で年よりも若く見られてしまうのは前からだった。
おかげで27歳になった今も森元所長さん夫婦から「老けなくていい」と言われる始末。
「こんな幼い感じだから目も向けられないのかな」
それで泣いてたから慰めてもらえたってこと?
あの時は誰かの代わりとしてしか思えなかったけど、ひょっとして子供が泣いてるようにも見えたんだろうか。
(だとしたら情けないかも……)
大人としても見てもらえてないとなると悲しいものがある。
ショゲながら和室の畳を拭きあげ、廊下へと出てみた。
「…あら、終わったの?」
河井さんが帰るところだったらしく、仕事部屋の方から歩いてくるのが見える。
「はい。お帰りですか?」
「ええ。進捗状況も確認できたし」
にっこりと微笑む彼女を玄関先まで見送った。
美男美女の眼差しを受け続けるのは辛い。
「あ、そうね。ごめんなさい。お仕事の邪魔して」
行きましょう……と河井さんは兵藤さんの袖を引っ張った。仲良さそうに歩いていく後ろ姿を振り返り、胸がつぅんと痛くなる。
(エンジェルか……)
そう言えば最初に間違ってキスされた時もそう言われたっけ。
あの時は兵藤さんが寝ボケていたから、そんなふうに見えたんだろう…と思っていたけど。
「まさか、素の状態でも同じこと言われるなんてな〜〜」
童顔で年よりも若く見られてしまうのは前からだった。
おかげで27歳になった今も森元所長さん夫婦から「老けなくていい」と言われる始末。
「こんな幼い感じだから目も向けられないのかな」
それで泣いてたから慰めてもらえたってこと?
あの時は誰かの代わりとしてしか思えなかったけど、ひょっとして子供が泣いてるようにも見えたんだろうか。
(だとしたら情けないかも……)
大人としても見てもらえてないとなると悲しいものがある。
ショゲながら和室の畳を拭きあげ、廊下へと出てみた。
「…あら、終わったの?」
河井さんが帰るところだったらしく、仕事部屋の方から歩いてくるのが見える。
「はい。お帰りですか?」
「ええ。進捗状況も確認できたし」
にっこりと微笑む彼女を玄関先まで見送った。