『ココロ彩る恋』を貴方と……
モデルは誰なの?
11月が近づくと、河井さんはちょくちょく様子を見に来るようになった。いつもは必ず兵藤さんにアポを取ってくる。
でも、今日に限っては急に立ち寄り、単色志向の食事をする兵藤さんを前に絶句していた。
「いつからこんな食事をしているの!?」
問い質すように聞かれても困る。
私がこの家に来た時は既に食材は冷蔵庫内で色別に分けられていたし、初めての出勤日から色指定をされてきた。
「それは分かりませんけど…」
困った様に目を向けても、兵藤さんは我関せずのような顔つきでいる。
「こんな食事で美味しいの!?」
兵藤さんに詰め寄り、どうなのよ…といった感じで聞いた。
「美味しいよ。君も食べれば?」
彼女の分も頼むと言いかけたところで、河井さんからは「結構です」との返事が戻り。
「私は色が混ざった食事の方がいいわ」
(うん。そこは私も同感です)
五色の物が揃った方が美味しそうに見える。
あの障子と同じ様に、色鮮やかな物を出したいんだけど。
「俺は色が混ざるとダメなんだ。食べる気が失せる」
…とこうだもんね。
「……もしかして、あの事故が原因?彼女が死んだから、そんな食事になったんじゃ……」
そう言い始めた人を兵藤さんが怖い顔をして睨んだ。
初めてとも思える感情のブレに気づき、私は思わず彼を見返してしまった。
でも、今日に限っては急に立ち寄り、単色志向の食事をする兵藤さんを前に絶句していた。
「いつからこんな食事をしているの!?」
問い質すように聞かれても困る。
私がこの家に来た時は既に食材は冷蔵庫内で色別に分けられていたし、初めての出勤日から色指定をされてきた。
「それは分かりませんけど…」
困った様に目を向けても、兵藤さんは我関せずのような顔つきでいる。
「こんな食事で美味しいの!?」
兵藤さんに詰め寄り、どうなのよ…といった感じで聞いた。
「美味しいよ。君も食べれば?」
彼女の分も頼むと言いかけたところで、河井さんからは「結構です」との返事が戻り。
「私は色が混ざった食事の方がいいわ」
(うん。そこは私も同感です)
五色の物が揃った方が美味しそうに見える。
あの障子と同じ様に、色鮮やかな物を出したいんだけど。
「俺は色が混ざるとダメなんだ。食べる気が失せる」
…とこうだもんね。
「……もしかして、あの事故が原因?彼女が死んだから、そんな食事になったんじゃ……」
そう言い始めた人を兵藤さんが怖い顔をして睨んだ。
初めてとも思える感情のブレに気づき、私は思わず彼を見返してしまった。