『ココロ彩る恋』を貴方と……
「余計なことを言わないでくれ」
低い声で威嚇する。
「ごめんなさい。つい……」
さすがの河井さんも押し黙った。
し…んとしたままで食事を済ませた後、二人は仕事部屋へと移動し、暫く出てくる様子もなかった。
(……彼女って誰だろう)
河井さんの言った言葉を考えていた。
私は兵藤さんの彼女は河井さんだと思い込んでいたけど、あの口ぶりでは少し違う気もする。
その亡くなった彼女のことが原因で単色志向になったんだとしたら、その人の方が河井さんよりも深い繋がりがあるんだろうと思う。
(でも、その人って誰なの?)
ここに通いだして幾つもの謎だけは増えたけど、その真相については何も知らない。
毎日通ってくるだけの家政婦の私に、雇い主の何がわかると言うだろうか。
(今日は遅いな)
リビングの掃除をしながら壁に掛かった楕円形の時計を見た。
さっき食事を済ませてから1時間以上も経つけど、まだ河井さんの帰る気配はない。
(何をしてるんだろう……って、やることと言ったら決まってるじゃない)
この間まで紙が山の様に散乱していたあの部屋で愛し合っているんだと思う。
あれから10日程しか経ってないんだから、二人が横になれるくらいのスペースはあるはずだ。
母屋には私がいるからイチャ付けない。けど、仕事部屋でなら何をしてもバレない。
低い声で威嚇する。
「ごめんなさい。つい……」
さすがの河井さんも押し黙った。
し…んとしたままで食事を済ませた後、二人は仕事部屋へと移動し、暫く出てくる様子もなかった。
(……彼女って誰だろう)
河井さんの言った言葉を考えていた。
私は兵藤さんの彼女は河井さんだと思い込んでいたけど、あの口ぶりでは少し違う気もする。
その亡くなった彼女のことが原因で単色志向になったんだとしたら、その人の方が河井さんよりも深い繋がりがあるんだろうと思う。
(でも、その人って誰なの?)
ここに通いだして幾つもの謎だけは増えたけど、その真相については何も知らない。
毎日通ってくるだけの家政婦の私に、雇い主の何がわかると言うだろうか。
(今日は遅いな)
リビングの掃除をしながら壁に掛かった楕円形の時計を見た。
さっき食事を済ませてから1時間以上も経つけど、まだ河井さんの帰る気配はない。
(何をしてるんだろう……って、やることと言ったら決まってるじゃない)
この間まで紙が山の様に散乱していたあの部屋で愛し合っているんだと思う。
あれから10日程しか経ってないんだから、二人が横になれるくらいのスペースはあるはずだ。
母屋には私がいるからイチャ付けない。けど、仕事部屋でなら何をしてもバレない。