私-後編-
                        
兄達が乗った前の車がハザードをたいた。


パーキングに入るんだ。



そしてパーキングに着くと、私はトイレに行き、唐揚げを買うと車に戻った。



智君は車の外で、煙草を吸っていた。


『ハイ』

私は智君に買ってきた唐揚げを渡した。


「ありがとう。いくらやった?」

『いいからいいから』

私はそう言うと車に乗った。


智君も車に乗ると再び目的地に向かって車を走らせた。




「俺なぁ、興奮して寝れへんかってん。
何か遠足の前の日みたいな感じやったし。
てるてる坊主まで作ったしなぁ〜」


無邪気に言う智君が可愛くて思わず笑ってしまった。


「バカにしたやろー」

『ううん。何か思ってたキャラと全然ちゃうから』


「何キャラやってん!ハハッ」


アハハ…――

                                    
智君といると、すごく気持ちが穏やかになった。



それからも、着くまで会話が途切れる事はなかった。


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