私-後編-
ナツの傷
皆はバーベキューの準備をしていた。
「亜美〜!」
ナツが私に声をかけた。
『酔ってる?』
「アハハ…ちょっとなぁ〜」
そう言うとナツは砂浜に座ったので私もナツの隣に座った。
「楽しいなぁ〜」
『そやなぁ…
ってか学校はどう?』
「普通かな〜!亜美が居たら楽しかったかも」
『そっか…ナツ?…はっきり言っていい?』
「ん?」
『何かなぁ。前亜美が兄ちゃんの事聞いたやん?
そん時に、好きやけど付き合わへんって言うたやん。』
ナツはうん、うん、と相づちをうって聞いていた。
『それってキープやんってあたしは思ってん。
まだ遊びたいんやなぁ…って。
別に遊びたいって事があかんとか思ってないけど、兄ちゃんと付き合ってても遊べるやん?』
ザザーン…
波の音だけで、しばらく沈黙が続いた。
「あんな…」
沈黙を破ったのはナツだった。
『ん?』