私-後編-
それから皆と朝方まで騒いでいた。
目が覚めたのは昼前で、ぼちぼち片付けて、車に荷物を運び、帰る事にした。
ハルは智君に肩車をしてもらい、私とは手を繋いでいた。
夢じゃなかったんだ…
なんて思っていた。
帰りの車でもずっと他愛のない話で盛り上がっていた。
そういや私智君の事…
家族の事や、住んでるとこ…
何も知らない…――
これから少しずつ知っていけばいいよね?
「ん?どした?」
信号待ちで智君が私の顔を覗き込んだ。
『うわっ…なんもないよ?
ビックリしたわ。』
「ボーッとしてたから…」
『アハハ。よくボーッとしてるって言われる』
「…そっか…」
ん?
何だか暗い…
『どしたん?』
「いやいや…
何かそんな淋しい表情されたら、元彼の事考えてるんかなぁ…とか‥」