私-後編-
彼の家
「着いたべ」
『へっ?』
智君に言われ車から降りると、緊張している私をよそに智君はハルと楽しそうに歩いて行った。
「大丈夫やから」
不安な顔をしていると智君が笑顔で言った。
私は小さく頷くと、智君の後ろを歩いた。
ガチャ‥―
「ただいまー」
『お邪魔します…』
サンダルを脱ぎ、智君に連れられリビングに向かった。
「あら!こんにちわ」
すごい若い智君のママに私は驚いた。
『あっ…初めまして…渡辺亜美ですっ』
「智にいつも亜美ちゃんの話は聞いてるで〜」
智君のママが言ったので私は智君に目を向けた。
「お‥おかんいらん事言うなや!」
「照れんでもいーやないの」
私は反対されてなさそうな雰囲気で少し安心した。