私-後編-
「ごめん…」
『あたしは一体智君の何!?』
「亜美はオレの彼女やで!そのプリクラは…――」
智君は静かに話し始めた。
私は何も言わずに智君の話を聞いていた。
3年前…――
当時智君には中学3年の彼女が居た。
二人の交際は順調だった…
しかし彼女が卒業する少し前…
彼女の妊娠が発覚したのだ。
智君はすごい喜んでいたが、彼女はおろしたいと言っていた。
智君は絶対に産めと言って、二人は会う度に喧嘩をするようになった。
そしてある日いつものように言い合いをしていると、彼女が言ったのだ。
「智の子じゃない」と。
智君は愕然とした。
彼女は本当は産みたかったが、一度だけ…
浮気をしたのだ。
もちろん智君の子かも知れないが、わからない。
智君は何日も何日も考えた。
そうするうちに、中絶できる期日が迫ってきた。