闇の中に咲くランの花 Ⅲ
愁「ったく…綾斗のヤロー何言ってやがんだ」




翔希「ホントだよな。貰うのは俺なのに」




愁「翔希でもありません。私です」




綾斗…なんであんなこと言ったんだ?



好きな子いるはずなのに…


あんなこと言ったら私、期待しちゃうだろ……










翔希「蘭、大丈夫?」




愁「ボーッとしてますけど…痛みますか?」




蘭「へっ?あぁ大丈夫!大丈夫!



それより何する?

いっぱい借りてきたんだ!

オセロだろ?トランプだろ?


あっ、昨日できなかった人生ゲームも!」





翔希「ホントだ…じゃあ人生ゲームやりたい」




蘭「分かった

じゃあ人生ゲームをやろう!




やり方知ってるの?」





翔希「知らない」





愁「私も知りません」





えっ




蘭「私も知らない」








そして沈黙








愁「ふっ」




蘭「アハハッハ!」




翔希「じゃあ出来ねぇじゃん!」




蘭「なんでみんな知らないんだよ!


一人ぐらい知っててもいいだろ!ハハッ!


てか!やり方知ってるから

言ったんじゃねぇのかよ!」





翔希「だって面白そうだったし?ハハッ」





愁「ある意味奇跡!」





蘭「説明書あるかな?



ゲッ!入ってねぇー!!

しゃあねぇ…調べるか」





翔希「調べるまでしてやること?フッハッ」





蘭「ハハハッほんとだよ!」





そしてしばらくみんなで笑っていた







愁「じゃあ違うゲームにしようか」




蘭「じゃあトランプ?


でも昨日やったしな」




愁「オセロでトーナメントは?」




蘭「3人で?」




翔希「でも面白そう」




蘭「じゃあトーナメントだ!」




翔希「ジャンケンで決めよう」




蘭「あっ!なぁなぁ!

普通にやっても面白くないだろ?

最下位は1位の人の言うことを聞く!


なんて言うのはどうだ?」




愁「面白そうですね」




翔希「じゃあやろうか」





1戦目は私 vs 翔希 だ!


色は私が白で、翔希が黒だ




翔希「絶対1位になる」




蘭「私だって負けねぇよ!」




って言ってもオセロで勝ったことないけど



でも翔希は弱そうだし!





翔希「弱そうとか言うなよ」シュン




蘭「あわわわわっ!!ごめんごめん!」




口に出してたよ!!




蘭「ごめんな!そんなに落ち込むなって!」




翔希「………。」シュン





立ち直りそうにない!





蘭「わかった!後でなんかあげるから

なっ?機嫌なおせって!」




翔希「………。」




だよな〜



こんなんで期限直すのって


奏と楓と潤と海ぐらいだよな




翔希「…う〜ん……いいよ」



いいのかよ!


まぁ良かった〜




蘭「じゃあ勝負だ!」










愁「えっと…


白が10で黒が54で、翔希の勝ちですね」






翔希「よっしゃ!」




蘭「ななななななな、なんで!?」



私の少なっ!



何10って!10ってなに!?




私最下位じゃん〜




翔希「後でお願いね」




蘭「?」



あぁ!さっきのやつね




蘭「OK」




愁「では私と翔希ですね」




愁が黒で翔希が白だ









すぐに決着が付くと思えば…




そうは上手くいかなかった






蘭「えっと…


白が32で黒も32……


はぁ…また引き分けか……」





これで何回戦目だよ



5回戦目だぜ!?



ギネス世界記録だぜ!



こんなことが起きるなんてよ!





翔希「なかなかしぶといな…」




愁「では次で終わらせましょう」




とか言いつつ



6、7と続き…


なんと10戦目






蘭「ふぁ〜……眠たっ…」




二人とも……真剣だな………




ちょっと悪いけどもう10時だし…



綾斗は帰ってこないし……





私はベッドに倒れ込んだ


そして眠りに落ちた




蘭side end



愁side



翔希「くっそー

これで13戦目…」




愁「なかなか決まりませんね…」





スゥースゥー





寝息?



翔希「あっ、蘭寝てる」




愁「ホントですね」




もう10時半ですしね




翔希「綾斗戻ってこないな」




愁「まぁ綾斗に連絡しておきましょうか

蘭が綾斗のベッドで寝てるので

ソッチの部屋で寝といてくださいと」




翔希「俺も寝るか…」



愁「最終的に決着は付きませんでしたね」




翔希「俺の約束もお預けだし…」




そう言えばそうだな




愁「何をお願いするつもりだったんですか?」




翔希「膝枕」




愁「好きですね」




翔希「だって寝心地いいし…


じゃあおやすみ…」





そう言って翔希は自分のベッドに入った



するとすぐに寝息が聞こえてきた





愁「寝つきよすぎかよ」




俺は蘭に布団をかけて


綾斗に連絡をして眠りについた



愁side end
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