闇の中に咲くランの花 Ⅲ
蘭side



ガチャ


ゴソゴソ


パタン




蘭「うん…ん?」




今……誰かいた?


まぁいっか…




蘭「ふぁ〜あぁ〜


今何時だ?」



5時ちょっと前



こんな時間に起きるなんて…


何か起こるかもな…今日……



ハハッ!なんつって!





てか今日やけに暑いな…


汗が尋常じゃない



たしかこの時間帯ならお風呂が空いてるはず




じゃあ温泉にレッツゴーだな!




そう言えば私あの後寝ちゃってたんだな


2人の勝負に決着着いたのかな?




ガチャ


パタン




翠たちの部屋鍵空いてるかな?





ガチャ


おっ!空いてる!空いてる!




蘭「おじゃましま〜す(ボソッ」



翠も朔夜も寝てる!


今のうちに〜





ゴソゴソ




あれ?綾斗がいない?


どこに行ったんだろ?




パタン



さて!行きますか!







カラカラ



蘭「今日も貸切か」



まぁこれでココの風呂に入るのも最後だしな




そう言えば昨日潤が言ってたっけ?



混浴から見える景色が一番綺麗らしいって



まぁこんな朝からいる人なんていないよな?





行ってみるか!




まずは体とか洗って〜









さて、コッチだな?




カラカラ



蘭「うわぁ〜まだ日の出前だ」




タイミング良ければ見られるかもな




チャプン



蘭「はぁ〜」




意外と混浴広いんだな〜



泳げるかも〜






なんか1人で入るの悪いな〜



って言っても男の人と入るのはゴメンだけど






チャポン





蘭「えっ?」




今、私動いてない…


なのに何で?




も、もしかして…





ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆゆゆゆゆ





蘭「幽霊!?!????!?」




?「なななななんだ!?」




ふへっ!?




蘭「だれかいる!!」





っん?


でも今の声って…




?「蘭!?っ//////」



蘭「あ、あ、あ、綾斗!?////////」




なんで!?なんで!?


なんで混浴に!?



私は勢いよく後ろを向いた


綾斗も私と同じことをしたのか



お互い後ろを向いている状態だ




綾斗「な、なんで…蘭が男湯に…」




へっ?


男湯?




蘭「な、何言ってんだ?ここ混浴だぜ?」




綾斗「へっ!?混浴!?


だから昨日と景色が違ったのか…」




もしかして間違えて混浴入ってたのか?




蘭「ブフッ」




綾斗「な、なんで笑ってんだよっ///!!」





蘭「だって!

混浴と露天風呂間違えたんだろ?

しかも景色が違っても怪しがってなかったし」





綾斗「暗かったから

気のせいだと思ってたんだよ!」




たしかに今暗いもんな




でも景色はわかると思うけどな?




蘭「綾斗、寝ぼけてたのか?」




綾斗「寝ぼけてねぇよ」





そして沈黙





あぁ〜ああああああああああ!!



どうしよ!どうしよ!!




ドキドキッ



心臓が可笑しくなってる…




蘭「日、日の出見られるかな?」




綾斗「……どうだろうな」




綾斗はドキドキとかしてなさそう…



まぁ私のことなんて

仲間としか思ってないだろうからな…





綾斗「……今日で終わりだな」




蘭「そっ、そうだな」




声が裏返ったー!!




綾斗「案外3日間って短いんだな」




蘭「確かにな

帰るなんて考えたくないな」




最後に “人” のところよっていこうかな



やっぱりもう1回お礼を言わないと

気が済まないからな





綾斗「蘭」




蘭「なんだ?」




綾斗「あのさ」




なんか真剣な話かな?



私は綾斗の方を振り返った




私が振り返ったのに気づいたのか


綾斗も私の方を見た




綾斗「俺………」









眩しっ!




蘭「あ!綾斗!日の出!」




凄い!凄い!


まさか本当に日の出が見られるなんて!




しかも暗くて見えなかった景色が見えてきた





蘭「綺麗…」




これが潤の言ってた綺麗な景色



最後に混浴入って正解だったな






蘭「あっそれより綾斗、何だったの?」




綾斗「っ!……べ、別に…」




ん?何だったんだろ?




蘭「私はそろそろあがろうかな


綾斗は?」




綾斗「俺はもう少しここに居る」





蘭「? そっか!


長湯しすぎは良くないからな!」





そう言って私は温泉から上がり部屋に戻った



そして愁と翔希に怒られたのは


言うまでもないだろ?




蘭side end


綾斗side



蘭が混浴からあがってから俺は正気に戻った




綾斗「俺…蘭に何を言おうとしてた?」




ふたりっきりになれることなんてそうそう無い



そう思ったのか…




まさか告白!?///////



温泉で告白ってなんだよ!




作ったプレゼントと一緒に告白しようって


思った俺はどこにいったんだよ!






でも…早く告白しないと…



蘭だって好きなやつがいるかもしれない…



綾斗side end



〜3日目〜


蘭「さてさて!最終日たぜ!」



今日は何すんのかな!



奏「何しようかな〜」




潤「せやなー

海ってゆーたらやっぱり泳がな!」




そうだな!




蘭「じゃあ競走しようぜ!」




奏「イイね!!

じゃあアソコまで!」



そう言って奏の指差す方を見てみると


大きめの岩があった




蘭「あの岩までか…結構遠くね?」




奏「でもあれ以外いい目印ないし」




まぁそうか



蘭「じゃあアソコまで競走な!」



って言っても泳ぐの久しぶりだから


途中でギブアップするかも





奏「綾斗たちもやる?」




綾斗「俺はいいよ

見ておくから」




翔希「俺も見学」




朔夜「俺と翠と流星と愁は魚釣り!」




魚釣りか!


前、海とやろうって言ってたけど

最終的に魚の “鷲掴み” になったもんな〜


しかも海とやったんじゃなくて流星だしな



今も思うけど言い出しっぺがやらないって

ダメだよな!



蘭「釣ったら食べさせてくれよ!」



翠「分かってるよ」




朔夜「じゃあ俺らはアッチにいるからな」




奏「オッケっけー!」





ここに残ってるのは



私、綾斗、翔希、奏、楓、潤、海 だな!



で、競走するのが

私と奏と楓と潤と海 だな!




奏「じゃあ綾斗!

ヨーイドンして!」




綾斗「なんで俺なんだよ…

まぁいいけど」




私はパーカーを脱いだ




綾斗・翔希・奏・楓・潤・海「「「っ////////////」」」




蘭「どうしたんだ?みんな顔赤いよ?


熱中症か!?」




確かにずっと日に当たってたし!




蘭「氷とか持ってきた方がいいか?」





楓「そ、そうゆうんじゃないっ/////」




そうゆうんじゃない?




蘭「分かった!

日焼けが赤くなったんだな!

ちゃんと日焼け止め塗らないとダメだぜ?」




私はたっぷり塗ってきたからな!




奏「……まぁ今回だけの事じゃない!」




何が?日焼けが?





潤「ほな、蘭!やるで!」




蘭「よーし!

ぜってぇ一番になってやる!」









そしてあっという間に時間が過ぎ


私たちは沖縄を出た





そしてこれから私はやらなくてはならない…




みんなに伝えなくてはならない…



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