闇の中に咲くランの花 Ⅲ
蘭side


今日はお父さんもお母さんも仕事で


家には私と陸兄と春兎と健ちゃんだけだ




それに今日で健ちゃんも家に帰るみたい




それが、何でもパパさんとママさんに


泊まることを黙ってたら


大激怒したんだってよ





まぁ連絡しなかった健ちゃんが


どう見ても悪いよね





健「あぁ〜もう帰る時間になった〜」



そう、今は5時前



蘭「今更だけど、どうやって帰るんだ?」




健「車で迎えに来るって言われてたけど


完全にキレてたから捕まると厄介なんだよな


だから電車で帰るよ」





健ちゃんのパパさんはお母さんと兄妹なんだ




キレるとおっかないのは


一緒なんだなって思ってた






陸兎「電車なんだろ?さっさと帰れ帰れ」




春兎「兄ちゃん?


勉強手伝わせといてその態度は良くないよ」




全くだぜ




蘭「最年長の癖に年下に手伝わせるとか

ホントに馬鹿だな


礼も言えねぇのかよ」





陸兎「蘭までっ!


グスッ…悲しくて〜

お兄ちゃん泣いちゃうよ〜」





泣いとけ泣いとけ





蘭「あっ、駅まで私が送るよ」




健「いいって、いいって

暗くなると危ないから」




蘭「大丈夫だって!


それに買い忘れたもんあったしな」





春兎「じゃあ僕が健兄を送ってくるから


家でゆっくりしてて?


買い忘れたものは兄ちゃんが

買いに行ってくれるし」





陸兎「えぇ!?俺行くって言ってないし!」




春兎「じゃあ健兄送ってってよ」




蘭「そうだな

てか、陸兄に買い物は無理だろ


つーが任せたくねぇ」




だって陸兄買ってこいって言ったの買わずに


お菓子買ってんだぜ?





今どきの小学生でもしねぇってのに




陸兎「任せたくないってなんだよ!


蘭か行くなら俺も行きたい!」





蘭「逝きたいならどうぞ逝ってくださいな」





春兎「そうそう


逝きたい?それとも生きたい?」





陸兎「ねぇ2人とも意味違くない?


絶対漢字違うやつ使ってるよね」





健「陸兎は生きたいよな?


生きたいなら俺についてくる方を

選んだほうがいいと思う」





陸兎「なんだよ!なんだよ!


そんなに俺と一緒に行ってほしいのか?」




健「そんな訳ないじゃん


出来れば蘭がいいね」





春兎「さっき自分で断ってたから


もう無理だよ〜!」





健「だよな〜


って、マジで家出ねぇとアイツらが来るから

帰るな」





またしばらくは会えないかもな













蘭「あっ!健ちゃんSTOP!」




健「無駄に発音いいんだよ


で?どうしたんだ?」




蘭「渡したいものがあったんだよ!


すっかり忘れてたぜ」






みんなに渡すので健ちゃんの分作ってたの


忘れてたって







蘭「ちょっとだけ待ってろ!」





ダダダダダッ






ダダダダダッ






蘭「はい!コレコレ!」




健「ナニコレ?


俺にくれるのか?」




蘭「おう!


って言っても大したもんじゃねぇけどな」





健「開けてもいいか?」




蘭「今はまだダメ!


電車乗ってからでも遅くねぇし!」





健「そうか?




って、腐ったレモンとかじゃねぇよな」





腐ったレモン!?





蘭「そんなのあげるわけねぇだろ!」




そんなの家に置いとくわけねぇだろ!



ましては人にあげるわけがない!







健「じゃあ陸兎、送ってくれるんだろ?」





陸兎「えぇー!本当に送るの〜?」




蘭「お金あげるからお菓子買ってもいいぞ」





陸兎「よしっ!健!さっさと行くぞ!」




扱いやすいな


マジで小学生だな





健「じゃあまたな蘭、春兎」





蘭「おう!また来いよ!」




春兎「またゲームしようね〜!」






バタンッ






そして私と春兎は晩御飯を作り始めた










ガチャ





陸兎「たっだいまー!」





蘭「春兎、お皿と箸、お願いしてもいい?」




春兎「はーい!」






陸兎「ねぇ無視!?


すっごい悲しいんですけど!」






蘭「春兎どのぐらい食べる?」




春兎「うーん……大盛りがいい!」




蘭「りょうかーい」





陸兎「ねぇスルーは悲しいって」





蘭「あぁーおかえり(棒読み」




春兎「早く帰ってくれてよかった(棒読み」





陸兎「ほんとに傷つく!」




うん、傷ついた顔してるな




蘭「ごめんごめん


ご飯出来たから早く食べようぜ?」





陸兎「おぉ!


今日は………ハンバーグか!」





蘭「陸兄と春兎は好きだったよな?」





陸兎・春兎「「大好き!」」





流石兄弟!



ハモるなんてすごいな!







食べ終わった後、私は洗い物を片付けていた


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