闇の中に咲くランの花 Ⅲ
綾斗side



綾斗「はぁ……」





愛「…………ねぇ」




綾斗「……はぁ…」





愛「ねぇってば!」




綾斗「…………はぁ…」





愛「綾斗君!」






綾斗「っ!はい…!」





愛「さっきから呼んでるでしょ!?」





綾斗「す、すいません……」





全く気づかなかった…





愛「綾斗君は相談をするために

私を呼んだのよね?」





綾斗「…………はい」





愛「ため息ばっかりつかれちゃ

8割ぐらいしかわかんないんだけど」





綾斗「8割分かるんすか!?」





スゲェ…




愛「綾斗君が悩むことなんて

大半蘭ちゃん絡みだからね」





そ、そんなことないぞ!?



俺にも他に悩みの一つや二つ…




一つや二つ……












蘭のことしか悩んでねぇー!!!







愛「蘭ちゃんといい…綾斗君といい…

好きな人で頭がいっぱいなんだから…(ボソッ」





綾斗「愛さん?」





何か言ったかな?





愛「何でもないわ



それより!

私に相談があるって言って呼び出しといて

相談しずに終わるなんてなしよ?」






綾斗「うっ……」





そうだけど……


何相談したらいいんだ?









あ”ぁーーー!!



俺らしくもねぇ!





愛「なんか綾斗見てると焦れったいわ」





綾斗「焦れったい…ですか?」





愛「悩む云々(ウンヌン)より当たって砕けろよ!


さっさと告白してしまえ!」






綾斗「こ、こここ、こくっ!」





愛「なにニワトリの真似してるのよ


告白よ!こ・く・は・く・!」






綾斗「む、無理です!」






愛「何言ってんの


いつもの俺様綾斗はどこに行ったの?」




俺ってそんなに俺様か?





愛「言わなかったら伝わらないんだから


さっさと好きだ!って言っちゃいなよ」





綾斗「そう簡単に好きなんて言えません!」





愛「はぁ……意外と純情なんだから…」





海とかなんであんなに好き好き言えるんだよ



マジで分かんねぇし…






プルルルルルッ



綾斗「えっ?愛さん?」



なんで電話を…?



プツッ




愛「あっ!もしもし〜愛だよ


この前立てたプラン

いつ実行するのかな〜って気になって



もう誘った?




まだなの?

早くしないと予定入っちゃうよ?




今なら暇なんじゃないかな?




うん!だから電話しちゃいなさい!





でもじゃない!ほら!




電話したらまた教えてね!




うん!がんばって!」






プチッ





愛「うん!これでよしっ!」





綾斗「あの……今のは?」





ずっと聞いてたけど話が全く見えなかった





愛「いやー綾斗君の話聞いてたら


友達の恋愛相談のことを思いだしてね?



だから電話してみたの!」






なるほど……





プルルルルルッ





綾斗「電話?


スミマセンでてもいいですか?」





愛「どうぞ!どうぞ!」ニコニコ





なんでニコニコしてんだろ?






てか、誰かr………




ガツンッ





綾斗「痛っ!」





愛「ちょっ!大丈夫!?」





いきなり立ち上がったせいで足を机に

ぶつけてしまった





綾斗「だ、大丈夫っ…デス」





蘭から電話だっ!





プツッ




綾斗「あー…もしもし?」




平然…平然…



蘭『あ、蘭だけど』




知ってるよ



着信画面に書いてあったしな




蘭『いきなりだけど…


クリスマスの日って空いてるか?』





クリスマス?





綾斗「何も予定入ってないけど?


それがどうかしたのか?」







蘭『……あの…もし良かったら…


一緒に遊びませんか?』







なぜ敬語?














ん?遊ぶ?




クリスマスに?




クリスマスに男女で遊ぶ = デート!?






ガツンッ




綾斗「ウグッ!」





いってー!!




蘭『えっ!?大丈夫か!?


今スゲェ音したけど!?』





愛「プププッ」





笑われてる////



でもそんなことより!






デ、デ、デデデ、デートだと!?





いきなりハードル高くないか!?






蘭『2人で遊ぶの……もしかして嫌か?』





綾斗「なっ!


嫌なわけねぇだろ!」






蘭『ホントか?』





綾斗「あぁ!」





嫌なんて有り得ねぇって!


むしろ嬉しいに決まってんだろ!





蘭『よかった……


じゃあ詳しいことはまた電話する!』





綾斗「あ、あぁ!」





蘭『じゃ、じゃあな』





綾斗「お、おぉ…またな!」






ピッ







綾斗「はぁ〜〜……」





電話で緊張するとか…ヤベェ……




声が耳元でするから……













うわぁぁああああああああ!!




はずかしいっ!!!!








愛「綾斗く〜ん?


な〜にニヤニヤしてんの〜?


イケメン顔が台無しよ〜?」






綾斗「へっ?」





そんなにニヤニヤしてたか!?






愛「あっ、LINE


ちょっとごめんね?」








にしても2人っきりとか……



マジでやばいって!







今まで、2人っきりになった時もあったけど



何故かいつも奏とか楓とか海とか潤とか……



邪魔してるとしか思えねぇんだよな






それよりクリスマスまで後1週間…





その前に学校で会えるけど……






学校で会う度にニヤけそう





ヤバイな


はたから見たら俺マジでやばいヤツじゃん





しかもヤンキーの癖にニヤニヤとか……








キモッ!





愛「よしっ!



じゃあ綾斗君!


何があったのか大体わかるから言うけど

その日が最大のチャンスよ!


それを逃したらもうないと思いなさい!」






だからなんで大体わかるんですか!?





愛「じゃあ私、これからやることがあるから


またね!」





綾斗「えっ?帰るんですか?」





愛「友達の恋愛相談よ!」





綾斗「あ、そうですか」





友達の恋愛相談に乗ってあげるって


やっぱりスゲェ人だよな





綾斗「では、また」





愛「うん!じゃーね!」





そう言って帰っていった






俺もあと1週間しかねぇ!




色々と準備しねぇと!





綾斗side end
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