闇の中に咲くランの花 Ⅲ
蘭side



蘭「うわぁぁああああああああ」




とうとう来てしまったっ!



12月25日 クリスマス



綾斗とデートする日だ…






待ち合わせは午後の12時だって言うのに



5時に起きてしまった私……







しゃーねぇだろ!?


寝られなかったんだから!







はぁ……




確か9時くらいに愛ちゃんが来てくれるはず





今は8時




愛ちゃんが来る前に

着替えておいた方がいいか?













これを着るのか…?





ウゲェー!!


やっぱりスカートなんて穿きたくねぇー!





下がスースーするのが耐えられん!





えっ?制服もスカートじゃんって?





制服なんか着るわけねぇだろ?





スカートだぜ?




穿かない穿かない




今は私服登校だぜ






『制服着たくない』って言ったら



『ダメ』って言われたけど




睨んで殺気だして『着たくねぇ』って言ったら




着なくてもいいって






それにあの高校私しか女子いねぇし





あの制服だってりょっちゃんが

私に着せたいがために作ったもんだし





ってことで制服は着てないんです








でもなんでデートって言ったら


スカートをなんだ?






パンツでイイじゃんって言ったら愛ちゃんが






愛『デートに行くっていったら

スカートに決まってるじゃない!

パンツなんて論外よ!

特に蘭ちゃんみたいに普段着ない子が

スカートを穿くなんて

ギャップで綾斗君のハート鷲掴みよ!


あと化粧もやらなきゃね!


大丈夫!わたしがやってあげるから!』








なーんていろいろ話が進んだよ




愛ちゃんって恋愛のスペシャリスト?






着たくないけど着ないと愛ちゃんが怖いし…

買った服がもったいないし…





1回着たらクローゼットの奥深くへ


さようなら〜







はっ!


こんなことしてる間にもう30分!





急がねぇと!
















コンコン





誰だ?




蘭「はーい」





ガチャ





陸兎「蘭、愛がきた……ぞ……」





なんで固まってんだ?





蘭「陸兄?」




陸兎「な、なななななななな!!」





な?





愛「蘭ちゃん!おっはよ!」





蘭「あっ!愛ちゃんおはよう!」





愛「やっぱり似合ってるじゃない!


まぁちょっとだけ心配したのよねー」




何で?





蘭「だって蘭ちゃん

スカート穿きたがらないでしょ?」





まぁな


すすんで穿きたいとは思わねぇな





でも選んでくれた愛ちゃんに悪いし







愛「それで?


なんで陸兎は固まってるの?」






蘭「分かんねぇ。

なって連呼したら固まってた」






愛「何で?」





私は陸兄に近づいた





蘭「おーい!陸兄!」





そう言って陸兄の目の前で手を振ってみた





愛「ダメだこりゃ」




ダメだな





蘭「1発殴るか」






ビクッ
陸兎「大丈夫ッス!」





蘭「おぉ、陸兄おかえり」






愛「それより!なんで固まってたの?」






陸兎「いや、その……////////」





なぜ赤くなる?






愛「あぁ〜なるほどね」





なんで納得した!?




全く分かんねぇんだけど!?







陸兎「はっ!まさか!」






蘭「な、なんだよ」





いきなり大声出して





陸兎「デートなのか!?」





な、何故それを!




陸兄にしては勘が鋭い!







陸兎「デートなんだな!?


いつもはスカートを穿かない蘭が穿くなんて

おかしいと思ったんだ


そうか〜そうか〜」






なんかひとりで納得してるぞ!?




しかもニヤニヤしてるし!







陸兎「そうか〜


そんなにデートが楽しみなんだな〜」





なんで嬉しそう?




愛「あ〜ぁ……馬鹿だ…ボソッ」





陸兄は出会った時から馬鹿だろ?





陸兎「そんなにめかしこんで〜


楽しみなんだな〜





















俺とのデートがっ!」






へっ?





愛「とんだ勘違い野郎だな…ボソッ」




口悪っ!





陸兎「そうなんだろ〜蘭〜」





蘭「えっ!?」





私に聞くか!?





陸兎「もっと早く言ってくれよ〜


準備に時間かかるだろ〜」





蘭「あ、アハハー

ご、ごめーん」





陸兎「よぉーし!


そうと決まれば準備するぞ〜」





そう言って部屋に向かっていく陸兄




おーい!マジかよ!





愛「ハイハイ。

そこまでにしな?陸兎」






陸兎「おぉ〜?なんだ〜?愛〜

これからデートの準備ダゾ〜

邪魔するな〜」





語尾が全部伸びてる…




愛「蘭ちゃんがめかしこんでるのは


私とのデートよ!」







あーいちゃーん?


なーにを言ってんだか



陸兎「はぁ?

お前と遊ぶだけに蘭が

スカート穿くわけねぇだろ?」




よく分かってらっしゃる




愛「大切な人に特別なものを買うなら

まずは形から〜ってやつよ」




なにそれ!



そうなの?!





陸兎「大切な人に特別なもの?」





愛「そうそう

これから私と蘭ちゃんとで

陸兎と春兎のプレゼントを買いに行くのよ」





蘭「そうなの!?」





愛「蘭ちゃん黙って」





蘭「はいっ」





怖ぇ〜





愛「だから邪魔しないでよ?

電話もLINEも禁止!


アンダスタンド?」






陸兎「つまり?


俺と春兎のためにプレゼントを買うために

服装から気合を入れたと」




愛「そうそう」





陸兎「………………」






これ納得されてない?



やっぱり無理があるんじゃないか?



この嘘











陸兎「なるほどな〜嬉しいな〜


じゃあ蘭からのプレゼント

楽しみにしてるぞ〜」






そう言ってルンルンでリビングに戻っていった






愛「はぁ……バカの扱いって疲れるわ


あっ、お邪魔してマース」






すごい今更


てか愛ちゃん、女優になれるよ





裏を返せば悪女だけど







愛「はい!変なこと考えないの!


悪女なんかじゃないからね」






なぜ分かった!






愛「口に出てるわよ」




おーマジか!



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