すきなのに!!
凛は辺りの様子を伺いながら小さい声で話し出した。




「栞、ナンバー2って、あの赤髪の人だよね?」



「あ、やっぱり?!凛もそう思うのか!」





凛も同じ考えならきっと合ってるね。は~解決解決!!



あたしは急に力が抜けてだらーんと背もたれにもたれると、凛に「シャキッとしなさい!」と思いっきり膝を叩かれた。いいパンチっすね、姐さん。




凛はあたしの腕を引っ張って顔を近づけた。





「私さ、噂で聞いたことあるんだけど…あの透って人、かなり喧嘩強いらしいよ。煙草とかお酒とかにも手出してるし。女の子を取っ替え引っ替え遊んでて」




「ひえー!」





と、取っ替え引っ替えだなんて。あたしのこれまでの人生とは真逆の道を歩いてるんだね!副リーダーは!!




すると、痺れを切らした金髪が何か叫び出したので、それを見るべくあたしたちは再びベンチに立った。





「もう待てねえ!!おいテメェら!ひと暴れすっぞ!」



「うおおおお!!」




な、なんてことだ!戦いが始まってしまったぞ!




一斉に原田少年に向かって殴りかかる不良たち。



何やってんだ原田少年の仲間は!!
危ないじゃないか!




原田少年は厳ついヤンキーズの攻撃をひらりとかわして相手の持っていた金属バットを蹴り上げた。




宙に舞ったバットを片手でキャッチした原田少年は、それを遠くに放り投げ、目の前に飛び込んで来たヤンキーの腹を一発殴った。





なんか映画みたいだな。


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