すきなのに!!
夏樹くんは「あっ!」と再び声を上げて、あたしの肩を掴んだ。忙しそうですね。


夏樹くんはちょっと不機嫌そうな顔をしてあたしを見る。




「でも、透はかなりのド変態ですから気を付けてくださいね!絶対隙とか見せちゃダメですよ?!」



「わわわわかったわかった!!」




顔近い顔近いいいい!!いくら年下の男の子だからといってもこんな整った顔が近づいてきたらあたしの心臓は持たないよ!!


頭がもげるんじゃないかってくらい頭を振ると夏樹くんは満足そうに笑った。



た、確かに、あたしにぶっ飛ばされて運命感じちゃうような人はドMの変態だよねぇ…気をつけますよ。




「あ、あと北倉は、まあ弱いからあんま大したことないからいいんですけどー」




た、大したことない…。知らない人だけど可哀想だ。





「でも東堂はクスリとか平気で使いますし、南栄以上に女好きで、本当にタチ悪いんです。そこだけには注意してください」




急に夏樹くんの顔が真剣になった。東堂はマジでやばそうだね。気をつけます。



あたしが頷くと夏樹くんは何事もなかったかのように笑ってあたしの頭を撫でた。なんか子供扱いされてません?






「夏樹くんの笑顔見てると元気出てくるみたい!!」






あたしがそう言って笑うと夏樹くんはまた笑ってくれた。





夏樹くんはきらきら笑うね。




すると朋稀の「ぎょええええ?!」という奇妙な叫び声が聞こえてきたからあたしは椅子から飛び上がって危うく後ろに倒れそうになった。


間一髪で夏樹くんが背中を支えて手を引っ張ってくれたから助かった。夏樹くんイケメン!!


きらきらした瞳で夏樹くんに見惚れていたら、夏樹くんが頬をぽりぽり掻いてはにかんだ。なんか青春の1ページって感じ?!…何言ってんだあたし。





「万里今日から学校来んのか?!マジか!!すげーなどうした急に!!」


「別に…気が向いただけだし」


「マジかマジかマジかー!!!すげー快挙じゃね?!なあ、理陽?!」


「朋稀うるさいよ。曲がりなりにもトップなんだからその子供っぽい性格どうにかした方がいいと思うよ」


「いちいちうっせえなー。だから幼馴染に‘‘お父さんみたいだね!”って笑顔で言われんだよ!」



「あ''?なんつった?」
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