すきなのに!!
負けるなあたし。
今の凛は下手したらあそこにいるヤンキーズより怖いけど諦めるな。
行くんだ、村山栞15歳、射手座でB型!
あたしは怒り狂ったようにポキポキと指を鳴らす凛に微笑んで、肩を掴む手を抓ってやった。
「痛っ!」
「あら、ごめんなさいねお姉様。あたし、舞踏会に行かなくちゃ。おほほほ~」
「あ!こら栞!!どっちかと言うと武道会でしょ!」
さよなら凛ちゃんマイベストフレンド!
あたしはひらりとベンチから飛び降りて、野次馬に向かって「どけどけー」と声を荒げた。
肩を震わせた野次馬がいたからちょっと不服。あたしはヤンキーではない。
野次馬をかき分けて最前列までやって来た。
武器は使いたくないけど念のため、金属バットは野次馬の竹刀を持った男子と交換して、あたしは竹刀を握り締めた。
残った敵はスキンヘッドと金髪と赤髪副リーダー。
スキンヘッドと金髪は原田少年と戦ってるから、あたしはムカつく面した副リーダーをぶっ倒してやろう。
あたしは凛の怒鳴り声と野次馬があたしを引き止めようとする手を振り払って、副リーダーの座るベンチに向かって駆け出していた。