すきなのに!!


ーーーーーー……




「…で、万里は栞にビビって怯えてるの?」



「……」






ソファーの上で膝を抱えて無言で何度も頷いた万里くんはあたしを見て明らかに怯えた目をした。





あれは茉央ちゃんが悪いのに…!!




あたしは輝の持っていたポッキーを奪い取ってバリボリ荒々しく頬張った。




バリバリボリボリ…。




輝があたしの首を軽くチョップした。






「うるせーよ」


「……………」


「無視かよ」






輝は小さく舌打ちをすると、ポニーテールにしたあたしの髪の毛先をくいくいと引っ張った。





「…おい」


「…何…んぐっ?!」




輝はあろうことにもあたしの口の中に大量のポッキーを突っ込んで満足そうに口角を上げた。






「ちょっ、なんらのころほっひーら」


「あ?聞こえませんよー」




むっかつく…!




輝には馬鹿にされ、万里くんとは少し距離が空き、踏んだり蹴ったりだな。

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