すきなのに!!
真白くんは茶色っぽい髪を触りながらにっこりと微笑む。




「栞ちゃん可愛いね」




いきなりそれかよ!!


でもまあ、こういうときの可愛いは8割お世辞らしいし(茉央ちゃん論)、普通に流そうっと。




「あはは、ありがとー」




ちょっと適当すぎかもだけど、こんなもんでいいか。




それから趣味とかありきたりな質問をされて答えて…をやっているうちにだんだん疲れてきた。



お目当ての運命さんがなかなか来ないので暇そうにしてる茉央ちゃんの髪をくるくるいじったりして時間を潰す。





「栞ちゃん、甘いもの好き?」


「え?あー…うん。好き、かな」




突然ふられた質問にどぎまぎしつつ、そう答えると真白くんはメニューを取り出してそれと睨めっこをし始めた。え?どうしたの…。




真白くんは店員さんに何かを頼むと自分の席に戻って行った。さっきから何がしたいんだろう。



しばらくすると店員さんがマンゴーパフェを持ってきてあたしの目の前にそっと置いた。


あたし頼んでないのに…。




まさか真白くんが?


真白くんの方を見たら、真白くんはマンゴーパフェを指差してにっこり笑う。





「食べていいよ」


「え、いや…でも」


「いいから遠慮しないで」





いや、遠慮とかじゃなくて…。



まあ、初対面の人に言うのも…ね。




マンゴーが大量にのったパフェをただただ見つめる。とりあえずスプーンだね、はい。


スプーンを手に取ってあたしを見てニコニコしてる真白くんに笑い返した。
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