すきなのに!!
ごくり……。
「どうしたの栞ちゃん、食べないの?」
なかなか食べないあたしに向かって不思議そうな顔をする真白くんに、慌てて笑いかけた。
「…っ、食べるよ。あまりにも美味しそうだったからついじっと見ちゃった。あはは」
「そっかー」
よし、行け栞。
お前ならできる!!
「いただきまー…っ?!!」
え?!スプーンが消えたんですけど!!あたしちゃんと握ってたのに…!!!恐ろしい!!
すると慌てるあたしの頭に何か重みが乗っかって、目の前にあったはずのマンゴーパフェが、苺のパフェに変わっていた。
「い、いりゅーじょん…」
「バカか」
あれ、この声どっかで…?
重みが消えて、その代わりにあたしの横には人の気配。
金色の髪にたくさんのアクセサリー。
茉央ちゃんの歓声。
隣にいたのは、
「き、恭ちゃん…?!」
「よ!昨日ぶり」
な…?!
茉央ちゃんの方をバッと向いたら茉央ちゃんの目がハートになっていたから、もうこれは…。
茉央ちゃんの熱い視線に気付かない恭ちゃんは顎で苺パフェを指して「食えよ」とぶっきらぼうに言い放った。