すきなのに!!
「…へ?」



「全く、女の子相手に何マジになってんだよ透ちゃん」




あたしの後ろにいる男は、ダラダラとした喋り方で副リーダーを見て笑った。



この男があたしを守ってくれたらしい。



待てよ待てよ。誰だあたしの後ろにいる男は。




あたしは掴まれている手をやんわり払って後ろを振り向いた。





「女の子は危ないことしちゃダメだよ?」


「い、い…!」





あたしは言いかけた言葉を慌てて引っ込めた。




な、なんだ!このイケメンは!!



切れ長の目に、無造作な黒髪から覗くきらきら光るピアス。



イケメン?お人形?



とにかく、こんな顔が整った人、この世にいるんだ!



ねぇ神様、なんでこんな綺麗な顔を作れるのに、あたしはこんな顔なんだよ。




放心状態でイケメンくんを見つめていたら、原田少年が首をポキポキ鳴らしながら近づいて来た。



「朋稀(ともき)さん、遅いっすよ」


「わりーな、なっちゃん」


「…その呼び方やめてください」




おお。このイケメンは原田少年の仲間らしい。


しかも、朋稀って名前らしい。

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