すきなのに!!

ちょ、いや。何これマジで。




恭ちゃん力強いし抜けられない。




恭ちゃんの手にさらに力が入る。





「お前と同じ高校入ればよかった…」






恭ちゃんの熱っぽい目が近づいてくる。

思わず恭ちゃんから顔をそらした。



同じ高校入ればよかったって、どういうこと?



何これ何これ。


あたし、こんな恭ちゃん知らない。






やばい…のかな。この状況。



わかんなくなってきたぞ!!







「はーいストップそこまでだぞ、酔っ払いの恭汰くん」







緩い喋り方の銀色のアイツが戸惑うあたしと暴走気味な恭ちゃんを引き離した。




まさかまさかの救世主が現れた。






「そ、颯くん…なんでここに」



「まあまあ、それはちょっと置いといてー、ひとまずこの酔っ払い少年を運ぶの手伝ってよ、しおりん」



「酔っ払い…?」






え、恭ちゃん酔ってんの?未成年だよね?あれ、あれれ??



首を傾げていたけど颯くんに「は・や・く」と急かされてあたしは急いで恭ちゃんの肩に腕を回した。



難なく恭ちゃんの体を支えたら颯くんは楽しそうに笑って「さっすがー」と茶化してきた。なんか腹立つ。




そして颯くんに誘導されるがままにあたしたちは足早にファミレスを出た。



恭ちゃんのせいで火照った顔に風が当たって気持ちいい。






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