すきなのに!!
わおわおわお…びっくらこいたよあたしは。こんな美人がと隣に並んだらあたしはミジンコ…そう、ミジンコにしか見えない。あれ、自分で言ってて悲しくなってきた。




美人さんはぱちぱちと瞬きをしてあたしと颯くんを見比べる。ちょ、あたしと颯くんの顔面の出来を見比べるのはやめてください。




すると美人さんは次の瞬間パアッと表情を明るくさせて、目を輝かせて頬に手を当てると、あたしの肩をいきなり掴んで顔を近づけた。



今日は心臓に悪いことが立て続けに起こるね。





「か、…か、!!!」



「…か?」



「可愛いいいいいいっ!!!」



「ぎうごっふっ!ぐ、ぐるじい…」






だ、抱きつかれてるううう!!!うわ、めちゃいい匂いするじゃん!ってあたしは変態かこの野郎!!それにしてもこの人、力ありすぎ!!




もしかして、こうなることを分かってて颯くんはあたしから恭ちゃんを取り上げたのか?まあ、確かにこんなことになったらあたしはびっくりして恭ちゃん落としてただろうけども。




どうせならあたしを守ってよ…。





放心状態のあたしの頭を撫でてにっこり笑う美人さん。なんかもう嬉しくない…美人恐怖症になったわ。






「くせっ毛なの??ひゃあーウェーブかかってるみたい…。お肌もすべすべー。若いっていいね…あとこのちょうどいい身長、158くらいかな?あたしが求めてたモデルはまさにこんな子よ…朋稀ってば、こんな可愛い友達いるならさっさと紹介しなさいよね」



「わ、すごい身長ドンピシャ…って、え?な、なんて言いました?最後の方」







美人さんはうっとりしちゃうような笑顔で首をこてんと傾げた。






「私、朋稀の姉の弥生です」



「ええええ!!」







やばいな新田DNA!!






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