すきなのに!!
そんな警戒しまくりな凛に気づいたのか、朋稀くんは「やれやれ困ったなー」と言って頭の後ろで手を組んだ。

全然困ってなさそうですけど。



「まぁ、何もしないよ。ちょこーっとお話しするだけ」



指でちょっと隙間を作って笑う朋稀くん。


凛が睨んで、それに朋稀くんがへらへら笑い続ける状態がしばらく続く。なんだか疲れてきちゃった。

ぼーっとしていたら、誰かに腕を掴まれた。




「ん?」


「おいで。早く行こうよ」




振り向くと、金髪王子があたしの腕を引っ張っていた。

やだな。この人、顔は綺麗だけど、何するかわかんないもん。

あんまり関わらないようにしようと密かに決めてたのに。



「ね、行こ?」




にこにことかわいく笑う金髪王子に思わずたじろぐ。ここだけの話、あたしはかわいいモノにはすっごく弱い。


焦げ茶色の目を細めて笑い、胸元のペンダントがキラリと光る。


…あれ?あのペンダント、どっかで見たことある…ような。気のせいか?


首を傾げてたら、後ろで「ちっ」と盛大な舌打ちが聞こえて、振り向くと突然ミルクティーが乱暴にあたしの腕を掴んだ。

そのままずるずる引っ張られる。



「ちょっと!腕がちぎれる!!」

「お前、見るからに丈夫そうだし平気だろ」

「し、失礼だな!」


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