すきなのに!!
「おーい!そこの見つめ合ってる2人、戻って来ーい」




ぱんぱんと手を叩いてそう言った朋稀くんの声にはっとして、あたしは思わず姿勢を正した。





「俺たちもできるだけ側にいるようにするけど、十分注意すること。以上!」





朋稀くんは立ち上がってにっこり笑った。



い、以上って…。



もしかして、あたしのこれからの学校生活、かなりハードなんじゃ…?!



え。ちょ、は?!!





「とりあえず自己紹介しようか」





朋稀くんは、あたしの前まで来ると、あたしの腕を引っ張って立たせた。





「俺は新田 朋稀(にった ともき)。よろしく」




「よ、よろしく朋稀くん」




「朋稀でいいよ」






にっこり笑った朋稀くん…じゃなくて朋稀はキラキラして見えた。マジでイケメンだ。



すると横から手が伸びてきて、そのまま肩を掴んでくるりと回された。




赤茶色の髪の少年が人懐こい笑みを浮かべた。




「あ、原田少年!」



「原田少年ってなんですか…」





ちょっと困ったように笑った原田少年にあたしはキュンキュンだぜ!




「俺は原田 夏樹、中3です」



「じゃあ夏樹くんはあたしの1個下か!」





あたしがそう言うと夏樹くんは頷いた。くうー!可愛い!!




抱きしめたいのを必死に堪えていると、後ろから馬鹿にしたように鼻で笑った音が聞こえた。



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