すきなのに!!

すると、さっきまでソファーに座っていた朋稀が立ち上がってあたしたちの間に割って入った。


「はい、おしまーい。輝ちゃんはすぐキレるから困るわー」

「黙れよ朋稀」

「また怒ったー」

「ほんとだ、カルシウム足りてないんじゃないの?…あ、だから背も低いのか…」

「おい女!!テメェはさっきからぴーぴーうるせぇんだよ!!喧嘩売ってんのか、あぁん?!」

「売ってませーん。どっちかと言うとあたしは買う専門かな?キミは売られた喧嘩は買うタイプだね!」

「何のんきに分析してんだよ!おい、メモってんじゃねえよ。どっからそれ出したんだよ」

「どこって、ポケットだよ」

「真顔で当たり前のこと言うなよバカ!」

「あ、四次元ポケットだと思ってる?ざんねーん違うんだなぁ。あたしは青い猫型ロボットとは違うんだよ。わかる?」

「……うざいマジうざいキモいこの女」



くるりと後ろを振り向いたミルクティー神崎輝を見てあたしは小さくガッツポーズをした。

勝ったか?!この勝負、あたしの勝ちかー?!!



「輝にここまで言う女の子、初めて見たよ朋ちん」

「俺もだよ颯ちん」



肩を組んで口を開けてる朋稀くんと颯くんは、声を揃えて「信じられない」と呟いた。


ふはは当たり前だろ。
あたしは負けず嫌いなのさ。



それにしても、金髪王子は何してんだ。さっきから部屋の片隅でずっとイヤホンで音楽聴いてるよ。

こっちの会話に参加する気0だね。

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