すきなのに!!
変な女
「本当にりょうなの?」
「佐伯 理陽(さえき りょう)だよ」
う、嘘だろ。こんなことってある?
理陽はあたしの頭を撫でながら微笑んだ。
「気づかなかった?俺は勘付いてたけど」
「いつから?」
「最初から」
「男を躊躇なく殴ったり、輝と喧嘩してんの見て確信に変わったよ」と付け加えた理陽に返す言葉もございません。
「…そろそろ事情を聞いてもいいですかー?」
「いいですよー」
遠慮がちに片手を上げた夏樹くんを見て理陽はあたしの手を引いて立ち上がらせた。
昔とは違う大きな手に ちょっとびっくりする。
立ち上がってみると、頭1個分以上背が違うからそれにもびっくり。
夏樹くんは顎に手を当ててあたしたちを見て首を傾げた。ちょ、可愛いな。
「さっき、先輩が言ってた隣人の“りょう”が、理陽さんってことっすか?」
「そだよ」
あたしがそう返すと夏樹くんは「つまり、えっと…」と言葉を濁らせた。
そんな夏樹くんを見て颯くんは呆れたようにため息をつくと、にっこり笑った。
「幼馴染、みたいな感じ?」
「おお!それだそれだ!ナイス颯くん!あたしはその言葉を探してたのだよ!」
輝が「ガチでバカなのかよ」と言ったのが聞こえたけど、そこは敢えてスルーした。いちいちつっかかってたらあたしの血糖値が急上昇してしまうからね。
あたしと理陽は幼稚園のときから隣の家に住んでる。
といっても、幼稚園から中学校まで全部学校が違う。
幼い頃から優秀だった理陽は私立の小学校に通い、あたしは平凡な公立の小学校へ。
小4までは遊んでいたものの、理陽がお勉強やら習い事やらで忙しくなり、合う回数がめっきり減った。
中学校は、理陽は西華高校の隣にある、附属の中学へ。
あたしは町外れのおんぼろ公立中学へ。
そして、かれこれ5年くらい会ってなくて、今日再会したってわけだ。
あたしも隣に住んでて5年も会わないなんて思ってもみなかったけどね。
「佐伯 理陽(さえき りょう)だよ」
う、嘘だろ。こんなことってある?
理陽はあたしの頭を撫でながら微笑んだ。
「気づかなかった?俺は勘付いてたけど」
「いつから?」
「最初から」
「男を躊躇なく殴ったり、輝と喧嘩してんの見て確信に変わったよ」と付け加えた理陽に返す言葉もございません。
「…そろそろ事情を聞いてもいいですかー?」
「いいですよー」
遠慮がちに片手を上げた夏樹くんを見て理陽はあたしの手を引いて立ち上がらせた。
昔とは違う大きな手に ちょっとびっくりする。
立ち上がってみると、頭1個分以上背が違うからそれにもびっくり。
夏樹くんは顎に手を当ててあたしたちを見て首を傾げた。ちょ、可愛いな。
「さっき、先輩が言ってた隣人の“りょう”が、理陽さんってことっすか?」
「そだよ」
あたしがそう返すと夏樹くんは「つまり、えっと…」と言葉を濁らせた。
そんな夏樹くんを見て颯くんは呆れたようにため息をつくと、にっこり笑った。
「幼馴染、みたいな感じ?」
「おお!それだそれだ!ナイス颯くん!あたしはその言葉を探してたのだよ!」
輝が「ガチでバカなのかよ」と言ったのが聞こえたけど、そこは敢えてスルーした。いちいちつっかかってたらあたしの血糖値が急上昇してしまうからね。
あたしと理陽は幼稚園のときから隣の家に住んでる。
といっても、幼稚園から中学校まで全部学校が違う。
幼い頃から優秀だった理陽は私立の小学校に通い、あたしは平凡な公立の小学校へ。
小4までは遊んでいたものの、理陽がお勉強やら習い事やらで忙しくなり、合う回数がめっきり減った。
中学校は、理陽は西華高校の隣にある、附属の中学へ。
あたしは町外れのおんぼろ公立中学へ。
そして、かれこれ5年くらい会ってなくて、今日再会したってわけだ。
あたしも隣に住んでて5年も会わないなんて思ってもみなかったけどね。