すきなのに!!
変な想像をしてる間に西華高校についちゃったので、景色とか見れば良かったと軽く後悔。

これから毎日通るからいいけどね!


南栄はもうちょっと先に行ったとこらしい。



3人はくるりとこちらに振り返り、にっこり笑った。




「じゃーな、がんばれよ2人とも」


「うん!またね!」




あたしと凛は笑い返して、大きく手を振った。



あー。いつも5人でいたから3人減ると物足りない感じがする。




中学の3年間って本当にあっという間だ。




高校もそんな風に一瞬の出来事みたいに終わるのかな、と思うとちょっと寂しい。





「…栞?どうしたの」





あ。あたしぼーっとしてたみたい。




やだな。まだ高校生になったばかりなのに、卒業したときのこと考えちゃうなんて。あたしらしくない。




心配そうにあたしを見る凛に気づいて慌てて笑顔を作る。




「なんでもない。クラスの名簿見に行こ!」



「うん!…っていきなり走んないでよ!」





凛の腕を掴んで一気に走るスピードを上げた。ふはは見てろよ同級生たちよ!あたしの素晴らしい走りを!!




……またやっちゃった。



走りながらそんなことを思う。




あたしは笑って自分の気持ちを誤魔化す癖がある。



笑ってれば誰も文句言わないし。


へらへらしてるって思われるだけだもん。





誰も嫌な思いなんて、しないと思うから。

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