すきなのに!!
くっ…もう、自分でなんとかするっきゃない!


あたしは意を決して目を瞑った。

そして、そのまま深く息を吸い込んで、カッと目を見開いた。



「とりゃあああ!!」


「え?は?お?!!」




あたしは颯くんの手を引っ剥がして、ひねり上げ、そのまま背負い投げをした。



だがしかし、颯くんはちょっと動揺したものの、地面に倒れずに綺麗に着地しやがった。この野郎。




「わわわわわ!!すごいです!!颯さんが投げ飛ばされました!」


「おーやるじゃんちびっ子」




夏樹くんがギャーギャー言いながら駆け寄って来た。朋稀はへらへら笑ってるけど。てかちびっ子とはなんだ。失礼な!


輝はぽかーんと口を開けて自分で自分の頬をビンタしている。



「え、輝ってドMなの?」


「ちげーわアホ。目の前のちんちくりんがどっかの歩く18禁野郎を投げ飛ばしかけて失敗したから、あーあ。間抜けだなー、って嘲笑ってんだよ。やっぱちんちくりんはやることもちんちくりんだな」

「ちんちくりんってどういう意味?」

「は?知るかよ」



輝こそアホじゃん!!

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