すきなのに!!
「えーと、あたしの名前はっと。あ、凛と一緒だ!!」

「本当?!やったね!」



2人でハイタッチをして他に誰がいるかなー、なんて探してたら、


「ん?桜田 颯、神崎 輝…げ。颯くんたちと同じクラスじゃん」


「うわーまじかよ。このチビ助と一緒とか先が思いやられるよな、颯ちゃん」

「そうだね輝ちゃん。男を軽々投げ飛ばす怪力モンスターと一緒だなんて、下手したら教室吹っ飛ぶかもね~」


あたしだってやだよ。よりによってこんなKYコンビとだなんて。


あたしは仲良く肩を組んで(輝が小さすぎて肩を組んでるとは言い難いけども)ニヤニヤしてる2人を冷めた目で見つめた。


理陽と朋稀はどこだろ。

指で一つ一つ名前を確認して滑らせていくと、ある場所であたしの手が止まった。



「……特進クラス?」



と、特進って、いかにも勉強できる人が集まるところだよね?!そこに2人の名前があるんだけど!!



あたしは紙に書かれた名前と2人を見比べて「え?!」と声を出した。



「理陽はともかく、朋稀って頭良いの?!」


「失礼な。俺様にできないことなんてないんだからな」


「そ、そうなのか…」




人は見かけによらないってやつの典型的な例だね、こりゃ。

あたしは自慢げに笑う朋稀に合わせて「ははは」と乾いた笑いを返していた。

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