すきなのに!!
大事な友達
*・*・*…
ホームルームにはなんとか滑り込みセーフだったあたしは、自分の机に乱暴にカバンを放り投げて席についた。
やっぱり顔のいいアイツらは人気なようで、教室に入ってきた瞬間、女子の黄色い歓声が響いた。
輝はすごい嫌そうだったけど、颯くんはにこやかに手を振っている。
「ね、あなた、さっき外で南栄の副リーダーぶっ飛ばしてた子だよね?」
…は?
あたしの前の席の子があたしを見るなりそう言った。
え、情報ってこんなに速く出回るもんなのか?恐るべし、イマドキの女子。
あたしは内心ヒヤヒヤだったけど、できるだけ平静を装い笑った。
「ひ、人違いじゃかいかな?」
「えー!絶対そうだよ!!あたし写真撮ったもん」
「ほら」と言ってあたしにスマホの画面を見せた女子。おいなんだこの写真。あたしが透を殴ってる決定的瞬間じゃないか。
あたしが笑顔を引き攣らせると、女子は「やっぱりー」といたずらっぽく笑った。
ダークブラウンの長い髪をかきあげた彼女を見て、近くの席の男子たちが顔を赤くさせる。落ち着け男子諸君。
「そっかー。理陽くんの幼馴染って噂もあったけど、本当?」
あー…もうだめだ。この子には隠し事できない。
あたしはこくりと頷いたら、彼女は満足そうに笑った。
「なるほどね。こんな可愛い幼馴染いたら、理陽くんも大事にするわ」
理陽が大事に…?
あたしが首を傾げると、彼女は「わかんなくていいよー」と言って、スマホをポケットにしまった。
「あたし、平野 茉央(ひらの まお)!よろしくね」
茉央ちゃん、か。え?これってもしかして教室入って2分弱でさっそく友達できちゃった感じ?!よっしゃー!
「あたしは、村山 栞だよ。よろしく茉央ちゃん」
ホームルームにはなんとか滑り込みセーフだったあたしは、自分の机に乱暴にカバンを放り投げて席についた。
やっぱり顔のいいアイツらは人気なようで、教室に入ってきた瞬間、女子の黄色い歓声が響いた。
輝はすごい嫌そうだったけど、颯くんはにこやかに手を振っている。
「ね、あなた、さっき外で南栄の副リーダーぶっ飛ばしてた子だよね?」
…は?
あたしの前の席の子があたしを見るなりそう言った。
え、情報ってこんなに速く出回るもんなのか?恐るべし、イマドキの女子。
あたしは内心ヒヤヒヤだったけど、できるだけ平静を装い笑った。
「ひ、人違いじゃかいかな?」
「えー!絶対そうだよ!!あたし写真撮ったもん」
「ほら」と言ってあたしにスマホの画面を見せた女子。おいなんだこの写真。あたしが透を殴ってる決定的瞬間じゃないか。
あたしが笑顔を引き攣らせると、女子は「やっぱりー」といたずらっぽく笑った。
ダークブラウンの長い髪をかきあげた彼女を見て、近くの席の男子たちが顔を赤くさせる。落ち着け男子諸君。
「そっかー。理陽くんの幼馴染って噂もあったけど、本当?」
あー…もうだめだ。この子には隠し事できない。
あたしはこくりと頷いたら、彼女は満足そうに笑った。
「なるほどね。こんな可愛い幼馴染いたら、理陽くんも大事にするわ」
理陽が大事に…?
あたしが首を傾げると、彼女は「わかんなくていいよー」と言って、スマホをポケットにしまった。
「あたし、平野 茉央(ひらの まお)!よろしくね」
茉央ちゃん、か。え?これってもしかして教室入って2分弱でさっそく友達できちゃった感じ?!よっしゃー!
「あたしは、村山 栞だよ。よろしく茉央ちゃん」