すきなのに!!
お。人だかりが見えてきたぞ!あそこに名簿が貼ってあるはずだ。




「凛!きっとあそこだよ!!」


「え?!どこ!!」




あたしの視力は異常かもしれない。遠くまで見えすぎる。




目を凝らしても、よく見えないらしい凛を引っ張ってさらに加速させた。




凛がなんか叫んでる。まぁ、大丈夫でしょ。





「やっと着いたー」


「……はあ、栞速すぎ」


「ごめんごめん」




てへ☆って可愛くウィンクしてみた。


………睨まれた。




あたしは勉強ができない代わりに運動はすごい得意。男子に50m走勝つときだってあるんだから!えっへん!


うーん。人が多すぎて見えないよ。



ちょっと空いてから行こうかな。



凛の腕を引いて近くのベンチに座った瞬間、女の子の甲高い悲鳴が響き渡った。





「きゃーーーー!!」




あたしと同じ新入生がざわつきだす。



え?何…?



あたしたちの視線は悲鳴が聞こえたデカイ噴水の周りに集まった。




人が多すぎて見えないのであたしと凛はベンチに立って背伸びした。それにしてもこのベンチ、お値段高そうだけど大丈夫かしら。





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