すきなのに!!
「いちごみるく好きなの?」
あたしの手の中にあるキャンディーは‘‘いちごみるく”ってやつ。
三角の形のキャンディーの中に練乳みたいなのが入ってていちご柄の包み紙で包まれている。
あたしの大好物で、朝お兄ちゃんに貰って後で食べようと思ってたんだけど、トイレのためならしょうがない。
輝はきまりが悪そうに顔を顰め、あたしから目を逸らした。
「……き、嫌いじゃな…い」
「そうなの?美味しいよねこれ。あたしこれ大好きなの」
輝は「ふーん」と言ってあたしの腕から手を離して頭の後ろで手を組んだ。
「お前が食わないなら貰ってやってもいい」
「輝も好きなんだね」
「ち、違う!!」
なんで否定するのかな。恥ずかしいことじゃなくない?
あたしのトイレに行きたくなったタイミングの方が10倍くらい恥ずかしいわ。
あたしはニンマリ笑ってキャンディーを包み紙から出して、わざと輝の前にちらつかせた。
「連れてってくれるならあげよっかなー」
「…!!」
あー悩んでる悩んでる。
頭抱えて悩んでる。
ふふふ。輝の弱み握っちゃったー!
「……」
「早く言わないと食べちゃうぞー」
輝はあたしをキッと睨みつけた。睨んでる原因がキャンディーだから全然怖くない。
ニヤニヤ笑うあたしに諦めたのか、輝はあたしの腕を再び掴んで引っ張り、歩き出した。
よし、これでトイレに行ける。
あたしは前を歩く輝の肩をツンツンして、「あ?」と言ってこちらを振り向いた瞬間、輝の口の中にいちごみるくを投げ込んだ。
慌てて勢いよく前を向いた輝の顔が、赤くなっていたのはあたしが知らない話。
あたしの手の中にあるキャンディーは‘‘いちごみるく”ってやつ。
三角の形のキャンディーの中に練乳みたいなのが入ってていちご柄の包み紙で包まれている。
あたしの大好物で、朝お兄ちゃんに貰って後で食べようと思ってたんだけど、トイレのためならしょうがない。
輝はきまりが悪そうに顔を顰め、あたしから目を逸らした。
「……き、嫌いじゃな…い」
「そうなの?美味しいよねこれ。あたしこれ大好きなの」
輝は「ふーん」と言ってあたしの腕から手を離して頭の後ろで手を組んだ。
「お前が食わないなら貰ってやってもいい」
「輝も好きなんだね」
「ち、違う!!」
なんで否定するのかな。恥ずかしいことじゃなくない?
あたしのトイレに行きたくなったタイミングの方が10倍くらい恥ずかしいわ。
あたしはニンマリ笑ってキャンディーを包み紙から出して、わざと輝の前にちらつかせた。
「連れてってくれるならあげよっかなー」
「…!!」
あー悩んでる悩んでる。
頭抱えて悩んでる。
ふふふ。輝の弱み握っちゃったー!
「……」
「早く言わないと食べちゃうぞー」
輝はあたしをキッと睨みつけた。睨んでる原因がキャンディーだから全然怖くない。
ニヤニヤ笑うあたしに諦めたのか、輝はあたしの腕を再び掴んで引っ張り、歩き出した。
よし、これでトイレに行ける。
あたしは前を歩く輝の肩をツンツンして、「あ?」と言ってこちらを振り向いた瞬間、輝の口の中にいちごみるくを投げ込んだ。
慌てて勢いよく前を向いた輝の顔が、赤くなっていたのはあたしが知らない話。