すきなのに!!
こんな可愛い男の子がこの世にいていいのか。実は天使なんじゃないだろうか。天空から舞い降りたエンジェルなのではないか。



よくわからない考えが頭の中をぐるぐる回っている。




明るいさらさらの茶髪、色白ですべすべの肌、桃色の唇にぱっちりした目。


スカートを履いてたら間違いなく女の子だと思っていただろう。



輝も女顔だけど、この子はさらにその上のまた上をいく可愛さだ。



あたしは目の前でブルブル震える少年を見て、たぶん少年とは違う意味で震えていた。



すると、どこからか甘い香りが漂ってきてあたしも少年もそちらに目を向けた。




「おいこらちびっ子遅えよ。どんだけ待たせるつもりだ…ば、万里?!なんでだ?!」


「万里…くん?」


「…ひぃ!!」




あたしがぶつかっちゃった可愛い男の子は、どうやら謎に包まれた万里くんだったようです。



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