すきなのに!!
…まあ、輝にキツイこと言われてるとき、栞はちょっと泣きそうな目で睨んでた。


そろそろやばいかな…なんて思ってたけど、




「栞が貶されようが馬鹿にされようが、どうでもいい」


「うわ、…ドライー…」


「けど、」



俺は颯に向かって少し微笑んだ。




「傷つけたり泣かせたりしたときは許さない、かな」





…恥ずかしくなってきた。


俺が顔を逸らすと、さっきにも増してニヤニヤしている朋稀と颯が視界に入った。




「理陽くん、可愛いー。自分でこっぱずかしいセリフ言っといて照れちゃうだなんて、ね?朋稀っち」


「傷つけたり泣かせたりしたときは許さない、ですって!まぁ、最近の子は大胆ねぇ、颯っち」



「今すぐそのキモい喋り方やめて。消えて。死んで死んで3回死んで」



「理陽くんこっわーい」

「きゃー」




ムカついたから2人の足を思いっきり踏んづけてやった。


颯が「うわ、この靴新品なのにー」って聞こえたから後で泥の中に颯の靴を落としてやろうと思う。



俺がポキポキと拳を鳴らしていると、夏樹が仲裁に入った。



「もう、やめてくださいよ。そんなことしてる場合じゃないでしょ。万里さんと、栞先輩のことの方がどう考えたって優先ですよ」



「本当、夏樹っていい子だね。どっかの歩く18禁と詐欺師リーダーとは大違い」


「詐欺師リーダーってどういうこと?」


「は?自覚なし?詐欺師みたいに女の子に笑顔振りまいてる西華のリーダーのことだよ。そのうち刺されればいいのに。……刺されればいいのに」


「なんで2回言ったんだよ理陽!」


「朋稀さんも理陽さんも静かにしてくださいよ!」




…はぁ。

これからどうしようか。



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