すきなのに!!
目をキラキラさせてたら凛にすごいじーって見られた。




「なんだよ凛ちゃん。照れるー」



「ふざけないの!栞、危ないことしたらぜっっったいに!…ダメだからね。私キレるよ」



「…うぅー。でもさー」



「でもじゃないの!!栞は女の子でしょ?怪我したら彼氏できないよ。『彼氏作って甘々な高校生活をエンジョイする!』ってあんだけ散々言ってたじゃん」



「…うっ」





た、確かに言った。



中学では…うまいこといかなかったから、「高校では頑張ってステキな人とラブラブしたい」みたいなこと言ったら中学の担任、吹き出したからね?ひどくないか?



でもそれとこれとは話が別じゃないか。




困ってる人を見て見ぬフリはダメだよ。あたしは嫌だね。





原田少年はスマホを取り出して誰かと連絡を取り始めた。仲間を呼んでるのかしらね。





「おい、新田はまだかよ!」





スキンヘッドの怖い兄ちゃんが暴れた。「俺はとっとと帰って巨乳美女とイチャコラする用事があんだよ!!」とか叫び出したよ。思いっきり私情だなオイ。


その人、スキンヘッドの彼女かな?





「……あんな顔でも彼女できるんだね」



「…ね」





凛の言葉に軽く頷いた。確かにそうだ。案外あたしの夢見る高校生活は手に届くところにあるかもしれない。




2人で頷き合っていると、





「あァ?そこのオンナ。なんか言ったか」





……え?


なんかあたしら、ガン見されてるんだけど…。




き、聞こえてたかな?!!かなり小さい声で悪口言ってたのに!とんでもない地獄耳だなあの兄ちゃん!!




顔を青ざめて凛とひっつきあっていると、最初に騒いでた金髪がずかずか歩いてきた。




え、やだ!困る!!




野次馬の視線があたしたち2人に集まる。もちろん、赤髪と原田少年も。

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