すきなのに!!
「あ、あの女…山田の攻撃を軽々よけやがったぞ!」

「何者なんだ…」

「忍者の生まれ変わりじゃね?」

「くノ一!いぇーい」




く、くノ一?!忍者の女版ってことだよね?!


しかもこのスキンヘッド、山田って名前なのか!顔に似合わず地味なお名前…。




「おいこらクソアマ、聞こえてるぞ」




山田スキンヘッド(芸人みたい)はギラギラと目を光らせてあたしを見下ろす。身長高いな。




「や、めてよ山田スキンヘッド」


「…ぷふっ」


「遊さん笑わないでくださいよ!俺らも…ぶっ!」


「やめろやなんや俺まで笑えてくるやろが…ひゃっは!」



不良のみなさんが笑ってくれた。

ちょっと嬉しい。

しかもお笑い大好き大阪の人(透)も笑ってくれた。あたしの芸能界デビューも近いかもしれない。


あたしは攻撃を交わしながら笑顔でスキンヘッドにガッツポーズを決めてみた。





「あ、山田スキンヘッドうけたよ!やったね山田☆」


「なーにが『やったね山田☆』だドアホ!!嬉しくもなんともねえわ!!つかお前とっととくたばれ!」


「むーりー。あたしの身体能力はそんじゃそこらの女子よりずーっと高いのだよ」

「自分で言うなよ!」




スキンヘッドの拳を交わし、足払いをしかけ、スキンヘッドがド派手にずっこけたところであたしたちの追いかけっこは強制終了させられた。









あたしと万里くんはトップと透の前に連れてかれて座らされた。トップと透はなぜかニコニコしている。


万里くんは不思議そうに、疑った目つきで彼らを睨んでいるが当の本人たちは全く気にすることなく2人で談笑している。


あたしも睨んでみたら談笑するのをやめて速く解放してくれるかも!と思ってあたしも万里くんの真似をしてるけど効果はイマイチである。





「おい、とっとと解放しろよ」


「やっぱポンデリングだろ」

「ちゃうちゃう、ハニーデイップや」

「じゃあ…フレンチクルーラー?」

「オールドファッションやないの?」



「「いい加減にしろ」」



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