すきなのに!!

ヒーローは遅れてやってくる

え、どうして…。


透に手を握られたまま困惑しているあたしだけど、コイツらが入ってきた瞬間、比較的和やかだった空気が一気に冷めた。



ピリピリした空気を無視したヤツらもいるけど…。




「わ、亜弓。あれって西華の人?レベル高いね」

「確かに!イケメンばっかじゃん!!恭、連絡先知らないの?」

「知るわけねぇだろアホか」




…アイツら。


空気が読めない3人を山田スキンヘッドが軽く頭を叩いたとき、やけに殺気立っている2人が睨み合いをしていた。




「1日ぶりだね透。会いたくもなかったけど」


「俺かて会いたくなんかなかったわ。なんで来たんや理陽」


「決まってんじゃん。今お前がベタベタくっついてる栞を連れ戻すためだし。お前といると栞が穢れる」


「ひぇぇー。こっわ。さすが幼馴染」




ちょ、そのデータどこで調べたの?!
あたしの幼馴染が理陽だって誰から聞いたの?!



‘‘幼馴染”って単語が出てきた瞬間、なぜか恭ちゃんが顔をしかめた。


哲ちゃんと亜弓は「なんか面白くなってきたー」とか喋ってるからまた山田スキンヘッドが叩いていた。





もうこの部屋には変人しかいない。




< 93 / 165 >

この作品をシェア

pagetop