すきなのに!!



……………。



ん?え、ちょ、…は?




あたしのこと、す…いや、違う聞き間違いだ。これは空耳ってやつだ。断じて違う。違う違う違う。そんな訳、なっしんぐだわバカ。栞のバーカ。彼氏がいないからって勝手に妄想して人が言った言葉を変換してんじゃねぇよ。



混乱してるあたしをよそに、透はあたしの両肩を掴んで目線を合わせた。





「栞ちゃん、聞いとる?今俺告ったんやけど」


「「「は?」」」





なんでその言葉にあたしだけじゃなくて理陽と恭ちゃんが反応するんだ。意味わからん。




「栞ちゃん」


「な、なんでしょう」


「好き」


「…なーに言ってんだよ透くん。ふふふ、勉強のしすぎで頭疲れてるんだよ!さぁ、脳外科にレッツゴー!!でも、あれ?ここら辺に脳外科ないか。じゃあどこ行く?海外?海外に治療しに行こう。ついでにハワイの海に行きたいなー。オーストラリアでコアラも見たいし…!アメリカで本場のアメリカンジョークを聞いてみたいし…うーんうーん」


「亜弓、栞が壊れた」


「ほんとだね、哲…。助けに行こうか」


「いや、でも透さんといい雰囲気だし…」


「「どこが?!」」


「だから、なんで理陽と恭ちゃんが反応するの?!意味わかんないんだけど?!
I don't know! Hoooo!!」







…あたしも変人だったみたいだ。





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