【完】あともう少しだけ、背伸びする。
「俺、宮野のことずっと前から好き。」
「…は?」
あまりにも予想外なことで、思わず聞き返してしまった。
えっと、ちょと待ってね。あたしの耳が正しければ今とんでもないことが聞こえたんだけど。
「何の冗談?それとも堂々と浮気ですか?」
「こんな冗談なんか言うかよ。それと撤回したいのが、俺華恋のこと恋愛対象として見たことないから。」
「…えっ?!!!!!でもふたり両想いなんじゃ…」
「ちげぇ。華恋には昔から言われてたから知ってたけど俺は違う。やっぱり宮野もそう思ってたのかよ…」
「あんなに笑顔で話してたら誰だって思うでしょ…」
「…あれは告白しても微妙な雰囲気になりたくないからって頼まれたから。」
すごい勢いで頭の中に情報が入ってきて、パンク状態。
それと比例してか、自分の顔が熱くなっていく。
「もう質問することない?」
「…でも、なんであたし?華恋ちゃんみたいに可愛くないよ?」
下げていた目線を上げると、いつもと変わらない七瀬がこっちを見てる。