【完】あともう少しだけ、背伸びする。
その瞬間
「七瀬~華恋ちゃんが呼んでるよ~!」
「おー!分かった!宮野、ちょっと待ってて。」
ガタっ、と椅子を引き前の扉まで走って行く。
ニコニコとお互い話す姿は美男美女のお似合いカップルだ。
あたしはふたりを頬杖をついてぼーっと見る。
「華恋ちゃん本当に可愛いよね~くっそ、俺もイケメンに生まれたかったなあ!!!」
「うわっ、びっくりした!突然来ないでよ、健人。」
突然襲来してきた健人にチョップをかます。
小学校のときは美波ちゃ~んって後ろをついてきてたのに、あっという間に背を抜かされ、今はこんなんだ。
「七瀬もあんなニコニコしちゃって…幼馴染の壁は大きいよなー」
「文句なしに可愛いもんねー…羨ましいよ、本当に。」
「だよなー。あっ、知ってる?今日華恋ちゃんが七瀬に告白するらしいよ!」
一瞬、自分の時間だけが止まったみたいだった。
けどすぐについにかと思い、再び時間が進みだす。