ラティアの月光宝花
「ルルド。私はあなたに死んでほしくないの」
「子供でも僕は男だ。僕がセシーリアを守る!」
なんだと?!
思わず目を見開くシーグルの前で、今度はセシーリアがルルドを抱き締めた。
「私もあなたが好きよ、ルルド」
「じゃあ、僕と結婚してくれる?」
「こら!ろくにスティーダも使えねぇガキの分際で女王に求婚なんざ百年早いんだよっ」
するとルルドは瞳に反抗的な光を宿し、敢然と言い返した。
「僕はこれから絶対に強くなる!それに僕はルアス帝国の元王子だ。身分的には釣り合ってる」
「はあっ?!」
互いにバリバリと睨み合うシーグルとルルドを見て、セシーリアは半ば呆れながらも笑った。
「さあルルド。とにかく今は宮殿に帰って汗を流してきて。お昼からは馬術でしょう?」
「……分かった……じゃあ行くよ」
侍従に連れられて練習場から出ていくルルドの後ろ姿を見ながら、シーグルは忌々しげに毒づいた。
「生意気なガキだぜ」
セシーリアは真上に近づきつつある太陽を感じながら、小さな声で言った。
「あの子……早く認めてもらいたいのよ。戦場で手柄をたてて、本当のラティア人として皆に認めてもらいたいんだわ」
「……」
「それに小さな頃のあなたにそっくり」
「っ……」
セシーリアがクスリと笑うと、シーグルは決まり悪そうに目をそらした。
そんなシーグルに抱き着くと、セシーリアは静かな口調で続ける。
「シーグル。あなたは逞しくなって戻ってきてくれた。感謝してる」
「子供でも僕は男だ。僕がセシーリアを守る!」
なんだと?!
思わず目を見開くシーグルの前で、今度はセシーリアがルルドを抱き締めた。
「私もあなたが好きよ、ルルド」
「じゃあ、僕と結婚してくれる?」
「こら!ろくにスティーダも使えねぇガキの分際で女王に求婚なんざ百年早いんだよっ」
するとルルドは瞳に反抗的な光を宿し、敢然と言い返した。
「僕はこれから絶対に強くなる!それに僕はルアス帝国の元王子だ。身分的には釣り合ってる」
「はあっ?!」
互いにバリバリと睨み合うシーグルとルルドを見て、セシーリアは半ば呆れながらも笑った。
「さあルルド。とにかく今は宮殿に帰って汗を流してきて。お昼からは馬術でしょう?」
「……分かった……じゃあ行くよ」
侍従に連れられて練習場から出ていくルルドの後ろ姿を見ながら、シーグルは忌々しげに毒づいた。
「生意気なガキだぜ」
セシーリアは真上に近づきつつある太陽を感じながら、小さな声で言った。
「あの子……早く認めてもらいたいのよ。戦場で手柄をたてて、本当のラティア人として皆に認めてもらいたいんだわ」
「……」
「それに小さな頃のあなたにそっくり」
「っ……」
セシーリアがクスリと笑うと、シーグルは決まり悪そうに目をそらした。
そんなシーグルに抱き着くと、セシーリアは静かな口調で続ける。
「シーグル。あなたは逞しくなって戻ってきてくれた。感謝してる」