ラティアの月光宝花
その相手が、このオリビエ・ドゥレイヴであることが嬉しい。
叩き斬ってくれるわ!
「死ぬ準備は出来たか?オリビエ」
「いつでも」
「オリビエ、剣奴は足を狙ってくる。気を付けろ」
別れ際にアンリオンがオリビエに声を掛けると、オリビエは唇を引き結んだまま頷いた。
それから後ずさり、距離をとった二人は互いを見据えた。
観客は、このあり得ない状況にただ困惑するばかりである。
「いざ!」
オリビエが剣を構えた瞬間、カリムが素早くオリビエのそれを狙い、叩き落とそうとした。
そこを上手くカリムの力を吸収して体を回転させると、オリビエは飛び上がってカリムの頭上にスティーダを振り下ろした。
カリムは表情ひとつ変えず、スティーダを両手で持つと額ギリギリのところで真横に構え、オリビエの攻撃を受け止めた。
それから同時にオリビエの太股を押すように蹴る。
剣奴上がりは伊達ではないようでカリムは想像以上に力が強く、オリビエは激しく後ろへひっくり返ると砂埃を上げた。
「オリビエ!」
空気を裂くようなセシーリアの声に、観客が我に返り、その中のひとりが叫んだ。
「プレーマーソーディ・ラティア!(我はラティアと共に!)オリビエ様ー!」
「プレーマーソーディ・ラティア!」
「オリビエ様ー!」
声が声に重なり合い、やがて皆の声が揃い始める頃、カリムは完全に剣奴へと戻っていた。
……我はラティアと共に?!バカ言え!国が何をしてくれると言うんだ。
国などが民を守ってなどくれるものか!!
カリムの身体全てが怒りに包まれた。
殺してやる……!
叩き斬ってくれるわ!
「死ぬ準備は出来たか?オリビエ」
「いつでも」
「オリビエ、剣奴は足を狙ってくる。気を付けろ」
別れ際にアンリオンがオリビエに声を掛けると、オリビエは唇を引き結んだまま頷いた。
それから後ずさり、距離をとった二人は互いを見据えた。
観客は、このあり得ない状況にただ困惑するばかりである。
「いざ!」
オリビエが剣を構えた瞬間、カリムが素早くオリビエのそれを狙い、叩き落とそうとした。
そこを上手くカリムの力を吸収して体を回転させると、オリビエは飛び上がってカリムの頭上にスティーダを振り下ろした。
カリムは表情ひとつ変えず、スティーダを両手で持つと額ギリギリのところで真横に構え、オリビエの攻撃を受け止めた。
それから同時にオリビエの太股を押すように蹴る。
剣奴上がりは伊達ではないようでカリムは想像以上に力が強く、オリビエは激しく後ろへひっくり返ると砂埃を上げた。
「オリビエ!」
空気を裂くようなセシーリアの声に、観客が我に返り、その中のひとりが叫んだ。
「プレーマーソーディ・ラティア!(我はラティアと共に!)オリビエ様ー!」
「プレーマーソーディ・ラティア!」
「オリビエ様ー!」
声が声に重なり合い、やがて皆の声が揃い始める頃、カリムは完全に剣奴へと戻っていた。
……我はラティアと共に?!バカ言え!国が何をしてくれると言うんだ。
国などが民を守ってなどくれるものか!!
カリムの身体全てが怒りに包まれた。
殺してやる……!