For You 〜 天使だった君に 最高のお返しを
2009.1
「ここにはよく来るの?」
彼は言った。
学校指定のナイロンバッグは地面に放られているのに、ギターは肩から下ろされ、膝の間に挟まれていた。
その様子だけで、そのギターを大事にしていることは良く分かった。
私は少しだけ、ブランコを前後に揺らしながら答えた。ブランコがキィーッと音をたてた。
「もう少し、早い時間だったら来るかな。まだ、子どもがたくさん遊んでる時間」
彼はブランコを揺らさず、しっかり私のほうを向いて聴いていた。
私はそんな彼と、目を合わさなかった。
合わせられなかった。
「どうしてわざわざそんな人の多いときに来るの?」
彼は意味が分からないといった風に怪訝な顔をした。
身までこちらに乗り出していた。
感情の豊かな人だと思った。
「この公園は好きだけど、一人は嫌いだから。遅い時間になったら、みんな帰っちゃう」
今日はあなたがいたから立ち止まった、それは言わないで置く。
彼には通じているかもしれない。
私はさっきより大きくブランコを揺らした。
その分だけ、ブランコは大きな音をたてた。
「俺はこの時間の方が好きだな。静かで落ち着けるから、自分のありのままの詞が書けるんだ」
初めて彼は私から視線を逸らして、ブランコを少しだけ揺らして言った。
「詞?」
彼は言った。
学校指定のナイロンバッグは地面に放られているのに、ギターは肩から下ろされ、膝の間に挟まれていた。
その様子だけで、そのギターを大事にしていることは良く分かった。
私は少しだけ、ブランコを前後に揺らしながら答えた。ブランコがキィーッと音をたてた。
「もう少し、早い時間だったら来るかな。まだ、子どもがたくさん遊んでる時間」
彼はブランコを揺らさず、しっかり私のほうを向いて聴いていた。
私はそんな彼と、目を合わさなかった。
合わせられなかった。
「どうしてわざわざそんな人の多いときに来るの?」
彼は意味が分からないといった風に怪訝な顔をした。
身までこちらに乗り出していた。
感情の豊かな人だと思った。
「この公園は好きだけど、一人は嫌いだから。遅い時間になったら、みんな帰っちゃう」
今日はあなたがいたから立ち止まった、それは言わないで置く。
彼には通じているかもしれない。
私はさっきより大きくブランコを揺らした。
その分だけ、ブランコは大きな音をたてた。
「俺はこの時間の方が好きだな。静かで落ち着けるから、自分のありのままの詞が書けるんだ」
初めて彼は私から視線を逸らして、ブランコを少しだけ揺らして言った。
「詞?」