SHORT LOVE STORY
●さくら
〈Side Boy〉
桜が咲き誇る春のはじめ。
君が転校してきた。
僕と君は偶然となりの席。
肩までかかる栗色の髪を耳にかけながら
「よろしくね。」
ニコッと笑ってそういう君をみて
ドクンッ…
心臓が変な音をたてた。
全神経が僕のとなりの席に集中しはじめた。
こういう気持ちって言葉にすると“一目惚れ”って言うんだなって思った。
━━━━───…
…・・・・
あの日から僕はずっと君に恋してるんだ。
君は僕を好きじゃないかもしれない。
君は僕を見ていないかもしれない。
でも君が他のヤツを見てたとしても
僕はこの気持ちを君に伝えようってきめたんだ。
もうすぐ君が転校してきたあの日がくる。
僕はきっと満開の桜の木の下で君に伝えるから。
『好きだよ。』
──епd──