恋はマスカット味
「ゲイだったの?」

率直な疑問だった。

「ゲイとちょっと違う。だって女の子も好きだし」

男が好きって何?女も?……バイか、バイだったのか私の彼は……

別に、バイが駄目ってことじゃない。
だた、ショックだったんだ。彼にフラれた事が……

あーもうこの際バイでもゲイでもどっちでもいいわ。
だって、どっちにしろ私は男に負けたんだから。
だから……だから、せめて惨めにならないように

「そう、じゃあ……バイバイ」

って笑顔で…できるだけ笑顔で別れを告げ彼の返事を聞く前に…
その場から立ち去った。


彼から見えないところまで来ると涙がボロボロと流れた。
知り合いが通るかもしれないってことを忘れて泣き疲れるまで泣いた。


だって本気で好きになった人だったから……
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