presquerien
囁き
冷たい金属、それは見慣れたものだった。
ソレの呼名は確か・・・とうやむやに混ざった知識を探り頭をかいた。
踏みしめた大地の乾いた土の感触を味わいながら、久々の下界の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
何時ぶりだろう、地上に降りたのは。
何時の時代も人間は変わらず発展し続ける生き物だと、ニンゲンでない生物は思う。
視線の先の人間達は今日も忙しく動き働く。
それに変わらず、自分よりも弱い生き物を作るんだなと嘲笑した視線の先は檻であった。
繋がれた弱きヒト、それらの存在を憐れむ気はなかった。
けれど、一人だけ。
その対象がいた。
穢れた地に降りた、穢れない存在は、弱きヒトとして繋がれていた。
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